日本の大企業、女性の稼ぎ頭は米国人-幹部でも男女報酬格差

安倍晋三首相が女性の活躍を訴える 中、日本を代表する企業で年収1億円以上を稼いでいる女性役員はわず か1人でしかもニューヨーク在住の米国人だ。

その人はソニーの米国法人、ソニー・コーポレーション・オブ・ア メリカの社長を務めるニコール・セリグマン氏で、報酬は1億5600万円 だった。ブルームバーグが日経225平均を構成する企業の有価証券報告 書を基にまとめたデータで明らかになった。前年度(2014年3月期)で 開示が義務付けられている報酬1億円超の役員は185人で、トップはカ シオ計算機の樫尾和雄社長で12億円、2位はキヤノンの御手洗冨士夫会 長で11億円だった。

安倍政権が女性の社会進出を促し、社会のあらゆる分野で2020年ま でに指導的地位の女性の割合を30%以上とする目標を掲げている中で、 ポストだけでなく報酬にも大きな格差があることを裏付けている。そも そも女性の労働参加率が低いことも背景にはある。

同志社大学でジェンダー政策について研究している川口章教授は、 女性の活用なしに日本経済の成長持続は困難なことがはっきりしつつあ るが、平均賃金は「フルタイムでも女性は男性の7割くらい」で、ギャ ップは30%近くあると話す。

国税庁の民間給与実態統計調査によると、12年時点の1年以上の勤 続者のうち、男性の年間平均賃金が502万円だったのに対し女性の年間 平均は268万円だった。経済協力開発機構(OECD)加盟国の中で日 本の男女賃金格差は27%と韓国の37%に次いで大きく、賃金格差の一番 小さいニュージーランド(6%)とは20ポイント余りの差がある。

管理職への遠い道

内閣府が6月に発表した男女共同参画白書によると、13年に女性就 業者は労働人口の4割超を占めるが、課長クラス以上の管理職の女性比 率はわずか11%で、部長級になるとさらに5.1%まで減る。また、帝国 データバンクが7月下旬に会社の規模を問わずに全国の1万社余りを対 象に調査したところによると、女性管理職の平均比率は6.2%で、女性 管理職がいない企業は約52%と半数を超えた。

ソニー役員としてランクインしたセリグマン氏はハーバード大学ロ ースクール卒業で、クリントン元大統領の実習生スキャンダルを弁護し た著名な弁護士だ。ソニーには01年に入社。今年6月までソニー本体で 法務担当の執行役エグゼクティブバイスプレジデントを務めていた。

セリグマン氏はソニーの菊池葉広報担当を通じてコメントすること を避けた。菊池氏はセリグマン氏の登用は実力と経験が評価されたもの で、ジェンダー(性別)には関係ないとコメントした。

コスモ・ピーアール社長で、過去に世界経済フォーラムで「グロー バル・リーダーズ・フォー・トゥモロー」に選出されたことのある佐藤 玖美氏は、「女性が働き続けるにはより多くの支援体制、またサポート の選択肢が必要だ」と述べた。

--取材協力:Hideki Suzuki、Miho Kurosaki、Isaac Aquino.

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