米国債(15日):上昇、ウクライナ混乱で需要高まる

米国債は上昇。30年債利回りは1年 2カ月ぶりの水準に下げた。ウクライナでの混乱を手掛かりに安全需要 が高まったほか、米経済指標を受けて景気に対する懸念も広がった。

10年債利回りは2013年6月以来の水準に低下。ウクライナ軍は、ロ シアから国境を越えて入ってきた武装車列を攻撃して一部を破壊したこ とを明らかにした。この日発表された米経済指標では、消費者マインド 指数が予想外に低下したほか、ニューヨーク連銀製造業景況指数は予想 以上に下げた。これを受け、金融当局が利上げ開始を遅らせるとの見方 が広がった。欧州債市場では、ドイツ10年債利回りが過去最低を付け た。

ウィリアムズ・キャピタル・グループの債券トレーディング責任 者、デービッド・コード氏は「質への逃避からくる買いがいつまでも続 いている」とし、「ウクライナ情勢は悪化しつつあり、それとともに米 国債買いもヒートアップしている。経済指標はこのところ若干勢いに欠 けている」と指摘した。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、30年債利回りは前日比7ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)低下の3.13%。一時3.10%と、13年5月22日以来の低水準 を付けた。今週は10bp低下。同年債(表面利率3.125%、2044年8月 償還)価格は1 1/4上げて99 27/32。

10年債利回りは6bp下げて2.34%。一時2.30%と、13年6月19日 以来の低水準を付けた。週初からは6bp低下。5年債利回りは4bp 低下し1.54%。一時8bp下げた。

利回り低下

30年債は一時9bp低下した。これは1月23日以降で最大の下げ 幅。10年債利回りは一時10bp下げた。これも1月23日以降で最大の下 げとなる。

BNPパリバの金利ストラテジスト、アーロン・コーリ氏(ニュー ヨーク在勤)は「経済指標が予想より若干悪かったところに、ウクライ ナ情勢をめぐるニュースが重なった」と分析。「強気派にとってはこれ は好機だ。週末を控え、情勢が悪化し得るとの見方が広がれば売りづら くなる」と続けた。

フェデラルファンド(FF)金利先物の動向によると、来年6月ま でにFF金利誘導目標が少なくとも0.5%まで引き上げられる確率 は34%。前月末時点では51%だった。

ウクライナ情勢

ウクライナは、同国軍がロシアから国境を越えて入ってきた武装車 列を攻撃して一部を破壊したと発表。一方でロシアからの報道によれ ば、同国国防省はこの日、ロシアの軍用車両は国境を越えてウクライナ に入ってはいないと説明した。

ドイツ10年債利回りは0.95%に低下し、ブルームバーグが1989年に データを取り始めて以降で最も低い水準となった。米10年債の独10年債 に対する上乗せ利回りは139bp。7月31日には140bpを付けた。これ は終値ベースに基づいた場合、過去15年で最大となる。

8月のニューヨーク連銀製造業景況指数は14.7と、前月の25.6から 低下した。同指数はゼロが景況の拡大と縮小の境目を示す。

グッゲンハイム・パートナーズ(ニューヨーク)の米政府債トレー ディング担当マネジングディレクター、ジェーソン・ローガン氏は「経 済データは決して悪化してはいないが、市場参加者が当局の利上げを想 定できるだけの力強さも見せていない」と指摘した。

8月の米トムソン・ロイター/ミシガン大学消費者マインド指数 (速報値)は79.2と、前月の81.8から低下した。ブルームバーグがまと めたエコノミスト予想の中央値は82.5への上昇だった。

原題:Treasuries Gain as Safety Demand Climbs Amid Conflict in Ukraine(抜粋)

--取材協力:Daniel Kruger.

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