フランスの首都を訪れる中国人観光 客の間である症状が流行している。「パリ症候群」だ。

日本人観光客と同様、初めてパリを訪れる中国人観光客は、メディ ア報道や「パリのアメリカ人」などの映画を見聞きして、趣があり豊か でフレンドリーな欧州の町を期待してやって来る。ところが、彼らが目 にするのはパリのもっとすさんだ一面だ。混雑した地下鉄や接客係の態 度の悪さ、現金を持ち歩く観光客を狙ったすりといった現実に直面し心 理的なショックを受けている。

フランスにある中国の旅行代理店協会の代表を務めるジャンフラン ソワ・チョウ氏は「中国人にはフランスへの憧れがあり、フランスの文 学や恋物語について知っている。しかし、彼らの一部は涙を浮かべて二 度と戻ってこないと誓うことになる」と話す。

パリを訪れる中国人観光客は毎年約100万人に上るだけに、フラン スにとって中国人観光客を呼び込み続けることは経済てこ入れの鍵とな る。フランス国立統計経済研究所(INSEE)の14日の発表によれ ば、同国の4-6月(第2四半期)の国内総生産(GDP)速報値は前 期比変わらずだった。ツーリズム・サテライト・アカウントによると、 観光業は2012年時点で仏GDPの7.2%を占めた。

中国人観光客は消費者としてもフランス経済を支援している。パリ 市観光局の報告書によると、12年には中国人観光客の6割がパリで買い 物をし、1日当たりの平均支出額は59ユーロ(約8080円)だった。これ は日本人の支出額(56ユーロ)を少し上回る水準で、平均の26ユーロに 比べると2倍強。

中国人観光客は多額の現金を持ち歩くため、すりの標的になること が多い。チョウ氏は手数料を節約するため多額の人民元を両替し「アイ スクリームを買うのに500ユーロ札で支払おうとするケースもある」と 指摘。中国ではクレジットカードの利用が欧州ほど一般的ではないと付 け加えた。

原題:Paris-Syndrome Epidemic Hits Chinese Tourists in French Capital(抜粋)

--取材協力:Caroline Connan、Jill Mao.

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