NY外為:円ほぼ全面安、危機緩和の兆しで逃避後退

ニューヨーク外国為替市場では円が 主要31通貨のほとんどに対して下落。ウクライナと中東の危機的状況が 緩和に向かうとの観測から、逃避としての円買いが後退した。

先週の米新規失業保険申請件数が予想以上の増加と発表され、ドル 指数は軟調。ドイツ経済のマイナス成長とフランスの景気低迷で、欧州 中央銀行(ECB)の追加緩和観測が広がり、ユーロは対ドルで年初来 安値に近い。

モントリオール銀行の世界為替戦略責任者、グレッグ・アンダーソ ン氏(ニューヨーク在勤)は電話取材に対し、「地政学的な問題はまず 表面化した時に市場に大きく影響する。状況が良くならなくても、時間 の経過とともに市場はこれに慣れてしまうものだ」と指摘。「今の市場 は日銀の追加緩和に備えたポジション固めの初期段階に入ろうとしてい る」と続けた。

ニューヨーク時間午後5時現在、円は対ユーロで1ユーロ=136 円92銭。一時は0.3%安まで下げた。対ドルでは0.1%未満安い1ドル =102円45銭。一時は5日以来の安値となる102円66銭を付けた。ユーロ は対ドルでほぼ変わらずの1ユーロ=1.3365ドル。

主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポ ット指数は0.1%下げて1020.96。

マリキ首相辞任、ガザ停戦延長

イラクの公共放送局アルイラキーヤはマリキ首相の辞任を報じた。 同首相は新首相に指名されたアバディ氏の支持を表明する。北部では米 軍の空爆に支援され、クルド人部隊は拠点奪回を狙い過激組織「イスラ ム国」と戦闘している。一方、イスラエルとハマスはパレスチナ自治区 ガザでの停戦を5日間延長することで合意した。

みずほフィナンシャルグループの為替セールス担当ファビアン・エ リアソン氏(ニューヨーク在勤)は電話インタビューで、「状況はほん の少し緩和したかのように思われる」と指摘。「昨夜は欧州が少し注目 された。極めて低い経済成長という意味だ。ドイツもちょっと心配だ。 極めて低いインフレだ」と述べた。

ユーロは大半の主要通貨に対して下落。4-6月(第2四半期)の ドイツ国内総生産(GDP)が0.2%のマイナス成長となったことが影 響した。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想 は0.1%のマイナスだった。これより先に発表されたフランスの第2四 半期GDPはゼロ成長。予想中央値は0.1%のプラス成長だった。

ユーロ圏GDP、米失業保険申請

欧州連合(EU)統計局(ユーロスタット)が発表した4-6月の ユーロ圏GDP速報値は前期比変わらず。1-3月(第1四半期) は0.2%増だった。ブルームバーグがまとめたエコノミスト37人の調査 中央値では0.1%増が見込まれていた。同時に発表された7月のユーロ 圏消費者物価指数(CPI)改定値は前年同月比0.4%上昇。

フォレックス・ドット・コムの欧州調査ディレクター、キャサリ ン・ブルックス氏は「悪材料は一部織り込み済みだったため、ユーロは 崖から転落せずに済んだが、弱い経済見通しに長期的には圧迫されるだ ろう」と述べた。

米労働省の発表によると、新規失業保険申請件数(季節調整済み) は前週比2万1000件増の31万1000件と、6週間ぶりの高水準だった。ブ ルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想中央値は29万5000 件。

先進10カ国の通貨で構成されるブルームバーグ相関加重通貨指数に よると、ドルは過去1カ月間で1.2%上昇。ユーロは0.4%下落し、円 は0.4%上昇した。

原題:Yen Weakens Versus Majors on Reduced Haven Demand; Dollar Drops(抜粋)

--取材協力:小宮弘子、Kristine Aquino、Mariko Ishikawa、Anchalee Worrachate.

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