投資先を知らなくても43%値上がり益-中国でIPO神話復活

チャン・シウリさんは新規株式公開 (IPO)を先月実施した中国企業9社について何も知らないと語る。

チャンさん(37)にとってそれは問題ではなかった。IPO直後に 株価が急騰することだけは分かっているとの自信から、チャンさんはこ れら全ての銘柄の購入を試みた。今年の中国企業のIPOでは取引初日 に株価が平均43%上昇している。新株32億元相当の募集に対し、チャン さんの分を含めた応募額は6550億元(約11兆円)。これは中国農業銀行 が2010年のIPOブームの絶頂期に上場した際の応募倍率を28倍上回 る。

前回のブームは投資家に厳しい形で終わりを迎えた。10年7-12月 (下期)に実施されたIPO案件の過半数で投資家は1年以内に損失を 抱えた。それから4年しか経っていないが、IPO株は確実に利益をも たらすとの見方が復活している。IPO銘柄の過大評価を避けるための 当局の取り組みの結果、政府ではなく市場に価格を決定させるという当 局の計画が損なわれていることをIPO株の需要急増は示していると、 中欧国際工商学院(CEIBS)の丁遠教授(会計学)は分析してい る。

丁教授は電話取材に対し「需給関係がゆがめられている。価格が低 く抑えられているためファンダメンタルズの分析は無意味だ」と語っ た。

申銀万国証券のシニアアナリスト、林瑾氏によると、IPO銘柄は 無リスクとの見方から一部の投資家は借り入れ資金を株につぎ込んでお り、株価上昇が止まれば損失を抱え込む恐れがある。同氏は「主なリス クは借り入れコストをカバーできるかどうかだ」と指摘した。

習近平国家主席は昨年11月、1990年代以降で最も広範な改革の一環 として、経済において市場に「決定的な」役割を担わせると表明した が、IPOの動向は中国共産党が抱える課題を浮き彫りにしている。

原題:How to Score 43% Profit in China Without Knowing What You Bought(抜粋)

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