石油ブームに沸く古都から駐在員退避-イラクのクルド自治区

米ニューヨーク州ロングアイランド 出身のマーク・コルバー氏は、イラクのクルド人自治区で3年余りにわ たって外国の石油各社のオフィス建設を統括してきた。そして今、同自 治区の首都アルビルから脱出しようとしている。

「アルビルの駐在員コミュニティーは活気があった。誰でも歓迎さ れ非常に温かい雰囲気だった。今では駐在員の約80%が退避してしまっ た」。勤務先企業が従業員の退避の準備を進める中、コルバー氏は電話 インタビューでそう語る。

原油資源が豊富で安全性が高く、繁栄していたクルド人自治区に は、ここ5年間に数百人の外国人が移り住んでいた。世界でも最大級の 未開発油田を幾つか擁する同自治区はイラクの他地域とは異なり、ほと んど戦闘が行われていなかった。

現在は、アルビルから約80キロメートルの場所で過激派武装組織 「イスラム国」とクルド人部隊が戦闘状態にあり、エネルギーブームが 脅かされている。世界有数の古都であるアルビルには、エネルギーブー ムにより国際空港や近代的な商業地区が建設された。

「アルビルとクルド人自治区全体の将来は石油にかかっている。石 油会社が退避すれば、この地域は困難な状況に陥るだろう。全てがオイ ルマネーによって建設された。それが枯渇すれば何も残らない」と、コ ルバー氏は指摘する。

クルド人自治区の境界付近には数万人が戦闘を逃れて避難してお り、自治区政府は人道的危機への対応に追われている。

原題:Expats Flee Iraq’s Oil Boomtown as Islamic State Attacks (1)(抜粋)

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