米国債:上昇、小売売上高の低迷で景気先行きを懸念

米国債相場は上昇。10年債利回りは 1年ぶり低水準に接近した。賃金が伸び悩む中で7月の米小売売上高は 前月比ほぼ変わらずとなり、景気が勢いを増すのは厳しくなるとの観測 が広がった。

米財務省がこの日実施した10年債入札(発行額240億ドル)では最 高落札利回りが約1年ぶり低水準となった。30年債は4営業日ぶりに反 発。14日には30年債入札(発行額160億ドル)が実施される。市場では 来年6月までに米政策金利が引き上げられるとの見方が後退した。この 日はまた、予想より弱い経済指標を背景にドイツや日本で国債相場が上 昇した。

ソシエテ・ジェネラルのトレーダー、ショーン・マーフィー氏(ニ ューヨーク在勤)は「小売売上高は弱い内容だった」とし、「金融当局 は低金利を早計に切り上げるリスクよりは、長期間維持し過ぎる方を選 ぶだろう。当局はスラック(たるみ)を懸念している」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは前日比3ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)低下の2.42%。一時2.47%に上げる場面もあった。8日に は2.35%と、13年6月20日以来の低水準を付けた。同年債(表面利 率2.5%、2024年5月償還)価格はこの日、9/32上げて100 23/32。

5年債利回りは4bp低下の1.58%。30年債利回りは3bp下げ て3.24%。

10年債入札

10年債入札では最高落札利回りは2.439%と、13年6月以降で最 低。ブルームバーグ・ニュースがプライマリーディーラー(政府証券公 認ディーラー)6社を対象に実施した事前調査では2.435%が見込まれ ていた。投資家の需要を測る指標の応札倍率は2.83倍と、6月以降で最 高。過去10回の入札の平均は2.69倍。

海外の中央銀行を含む間接入札者の落札比率は47%。過去10回の入 札の平均は44.5%。プライマリーディーラー以外の直接入札者の落札比 率は15.1%。過去10回の平均は17.8%。

野村ホールディングスのストラテジスト、スタンリー・サン氏は 「潜在需要は確実にある」とし、「全体的に見て、かなり力強い内容だ った」と指摘した。

前日の3年債入札(発行額270億ドル)では最高落札利回りが4月 以来の低水準となった。ウクライナとイラクでの混乱が悪化するとの観 測から、安全需要が高まった。投資家の需要を測る指標の応札倍率 は3.03倍だった。過去10回の平均は3.35倍。

小売売上高

米商務省が発表した7月の小売売上高(速報値)は季節調整済みで 前月比ほぼ変わらずと、ここ6カ月間で最悪の結果だった。ブルームバ ーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値は0.2%増だっ た。自動車を除く小売売上高は0.1%増と、前月の0.4%増から減速し た。

RWプレスプリッチの政府債取引担当マネジングディレクター、ラ リー・ミルスタイン氏(ニューヨーク在勤)は「注意を促す内容だ」と し、「利上げのタイミングが必然的に変わるとは思わないが、この傾向 が続くのかという点で若干の懸念を生じさせる」と続けた。

フェデラルファンド(FF)金利先物の動向によると、2015年6月 までにFF金利誘導目標が少なくとも0.5%まで引き上げられる確率 は36%。7月末時点では51%だった。

原題:Treasuries Gain as Lack of Sales Growth Fuels Concern on Economy(抜粋)

--取材協力:Daniel Kruger.

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