英中銀総裁:利上げ急がない方針-賃金動向と国外リスク注視

イングランド銀行(英中央銀行)の カーニー総裁は13日、利上げを急がない方針を示した。英景気回復に対 する国外リスクと賃金の伸びの弱さを理由に挙げた。

カーニー総裁は四半期物価報告をこの日公表。ロンドンで記者団に 対し、英景気は「幾つかの難題に直面している」と話した。中銀当局者 は賃金動向に注目しているとして、利上げについては投資家同様に「段 階的かつ限定的」とみていることを明らかにした。同日発表の雇用統計 では、賃金が2009年以降で初めて減少した一方で失業率が08年以来の低 水準という状況が示された。

総裁は「地政学的リスクが強まったほか、ユーロ圏では構造改革が 継続中で域内成長は緩やかと予想される」と発言。「失業率が急激に低 下したのに、賃金の伸びは極めて弱い」と述べた。

さらに「今回の中銀見通しが前提としている市場の利回りが示唆す る政策金利の道筋は、四半期ごとにわずか15ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01%)の上昇で、予想対象期間の終わりに達するのは2.25% にすぎない」と説明し、「このような金利見通しは経済が受けている根 強い向かい風によるものだ」と語った。

ポンドの対ドル相場は総裁発言後に下落。ロンドン時間午前11時58 分(日本時間午後7時58分)現在、前日比0.6%安の1ポンド=1.6713 ドルで推移している。2年債利回りは5bp低下し0.75%。

四半期物価報告

英中銀は四半期物価報告で、経済の余剰能力の規模が縮小したと指 摘する一方、賃金上昇率の見通しを引き下げた。金融政策を検証する上 で、賃金という要素の比重を高めて考えていくことも明らかにした。雇 用統計によれば、4-6月の賃金は前年同期比0.2%減少した。

物価報告によれば、余剰能力の規模は対国内総生産(GDP)比で 約1%に縮小。前回の評価では1.25%を中間点としていた。英中銀はま た、スラック(たるみ)が想定より急速に解消されつつあるものの、今 後のペース鈍化に伴い「国内のインフレ圧力の高まりは抑制されるはず だ」と説明した。

前回の報告にあった「利上げを実施する前にスラックを一段と解消 する余地がある」との一文は削除。金融政策委員会(MPC)が政策金 利を過去最低の0.5%から引き上げ始める際、その利上げペースは段階 的になるとの方針はあらためて示した。

賃金見通しについては、今年10-12月の伸び率が前年同期比 で1.25%前後とし、5月時点に予想した2.5%から引き下げた。15年末 時点では3.25%になるとし、これも従来予測の3.5%から下方修正し た。

原題:Carney Pledges No Rush to Raise Rates as BOE Focuses on Wages(抜粋)

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