中国:7月のファイナンス規模、大幅減-工業生産は予想届かず

中国の7月の経済全体のファイナン ス規模は市場予想を大幅に下回り、世界的な金融危機以来の低水準に落 ち込んだ。7月の工業生産も伸びが市場予想に届かなかった。当局が不 動産市場低迷への対処に追われる中、景気回復へのリスクが増している ことが明らかになった。

中国人民銀行(中央銀行)が13日発表した7月の経済全体のファイ ナンス規模は2731億元(約4兆5400億円)。ブルームバーグ・ニュース がまとめた市場関係者の予想中央値は1兆5000億元。6月は1兆9700億 元、昨年7月は8191億元だった。ブルームバーグの指数は、4-6月 (第2四半期)に約2年ぶりの急ペースで金融情勢が緩和されていたこ とを示していた。

国家統計局が13日発表した7月の工業生産は前年同月比9%増。市 場予想は9.2%増、6月も9.2%増だった。1-7月の都市部固定資産投 資は前年同期比17%増。予想中央値は17.4%増、1-6月は17.3%増だ った。7月の小売売上高は前年同月比12.2%増で、同じく市場予想 (12.5%増)に届かなかった。

与信の伸びが鈍化し、経済全般に減速傾向が見られたことで、李克 強首相が掲げる今年の成長率目標である7.5%前後の達成に向けたリス クが増加し、当局が追加刺激策を講じるとの観測が強まった。

中国社会科学院の張斌エコノミストは「成長の真の回復はいまだに 見られない。せいぜい低水準で安定しつつあると言えるにすぎない」と 指摘。与信のデータは「一定の金融活動に対する規制強化と、景気の基 調的な弱さの両方を反映している」と述べた。

人民銀が見解

人民銀はファイナンスの落ち込みについて、このところの規制と金 融機関によるリスク管理強化によるものとのコメントを発表した。人民 銀が同時に発表した7月の新規人民元建て融資は3852億元で、市場予想 中央値(7800億元)の半分程度にとどまった。7月のマネーサプライ (通貨供給量)統計ではM2が前年同月比13.5%増と、同じく予想中央 値(14.4%増)を下回り、6月の14.7%増に比べて伸びが鈍化した。

7月の経済全体のファイナンス規模は08年10月以来の低水準。新規 融資は09年12月以来の低水準となった。

人民銀はウェブサイトに掲載した発表資料で、8月最初の10日間の 新規融資は1日当たり300億-500億元だと説明。金融政策の方向性は変 わっておらず、7月の主要な金融指標は妥当な範囲にとどまっていると の見解を示した。発表資料では「マネーサプライと与信、経済全体のフ ァイナンス規模は今後も引き続き安定した伸びが見込める」としてい る。人民銀は通常、月次統計について個別にコメントを発表することは ない。

利下げ観測浮上

中国国際金融(CICC)のアナリスト、アンソン・フアン、ジ エ・ジュ両氏はリポートで、この日のファイナンス統計について「一段 の金融緩和の可能性が著しく高まった」と指摘。人民銀は「窓口指導」 を通じて大手国有銀行に融資の拡大と迅速化を促していると述べた。

ゴールドマン・サックス・グループのエコノミストらはリポート で、月内に「一定の緩和」が行われる公算が大きいと指摘。招商銀行の 劉東亮アナリストは、人民銀が8月中にも利下げに踏み切る可能性があ るとの見方を示した。

原題:China Credit Gauge Plunges as Industrial Output, Investment Slow(抜粋)

--取材協力:Ailing Tan、Kevin Hamlin、Jun Luo.

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