ドル・円は102円台前半、4-6月GDP受けて追加緩和期待も

東京外国為替市場で、ドル・円相場 は1ドル=102円台前半で推移。日本の4-6月期の国内総生産 (GDP)が2四半期ぶりのマイナス成長に落ち込んだことで、日本銀 行の追加緩和期待から円売り圧力がかかりやすいとの見方が出ている。

午後3時10分現在のドル・円相場は102円29銭付近。午後の取引で 一時102円36銭まで円安が進んだ。前日の海外市場では102円09銭まで円 が水準を切り上げる場面もあった。

マネースクウェア・ジャパン市場調査室の山岸永幸シニアアナリス トは、GDPの結果について「予想通り悪かった」とし、特に民間消費 の落ち込みが消費税引き上げの影響を勘案しても大き過ぎると指摘。7 -9月の回復も見込みにくく、来年の再増税に関する判断にも疑問符が 付き、日銀は「何らかの支援を迫られる可能性が年後半高い」として、 「やや円安バイアスがかかりやすい」とみる。

内閣府が13日発表した4-6月期のGDP速報値は、物価変動の影 響を除いた実質で前期比年率6.8%減となった。ブルームバーグ・ニュ ースがまとめた市場予想の中央値は7%減だった。項目別では全体の約 6割を占める個人消費が前期比5.0%減と急減した。

東京株式相場は日経平均株価が反落して取引を開始した後、下げ幅 を解消し、プラスを維持して引けた。

地政学リスクくすぶる

ウクライナは12日、人道的な支援物資を届けるとしてロシアが派遣 したトラック280台の入国を認めない方針を示した。現状のままでは国 際的な取り決めに従っていないとし、支援団を赤十字が率いるルールを 理由に挙げた。ウクライナ軍スポークスマンのアンドリー・リシェンコ 氏は、トラックには支援物資に見せ掛けて軍装品が積まれていると指摘 した。

イラクでは、マリキ首相が12日に軍当局者との会議を主宰し、次期 首相候補に指名されたハイダル・アバディ氏に首相の座を譲らない意向 をあらためて示した。

三菱東京UFJ銀行の野本尚宏調査役(ニューヨーク在勤)は、 「地政学リスクはある程度長引く」とした上で、ロシア企業を対象にし た制裁で欧州経済全体に影響が及ぶと言い、「ドル金利だけが上がるこ とはない」と指摘。「地政学リスクがあるうちは、ドル・円は上がった ら売りという感じ」とみる。

この日は米国で7月の小売売上高が発表される。市場予想の中央値 では、前月比0.2%の増加が見込まれている。前月は0.2%増だった。12 日に発表された6月の求人件数は9万4000件増加の467万件と、2001年 2月以来の高水準となった。

一方、ドイツの欧州経済研究センター(ZEW)が12日に発表した 8月の独景況感指数(期待指数)は8.6と、前月の27.1から大きく低 下。市場予想の中央値17.0に対しても下回った。

ユーロ・ドル相場は前日の海外市場で一時1ユーロ=1.3336ドル と、4営業日ぶりの安値を付け、東京市場では1.33ドル台後半で推移。 ユーロ・円相場は海外で一時1ユーロ=136円37銭と、2営業日ぶりの 安値を付け、東京市場は136円台後半での取引となっている。

IG証券の石川順一マーケットアナリストは、「ロシア、ウクライ ナ情勢がどこまでドイツ経済にネガティブインパクトを及ぼすかという ところが焦点であったわけだが、ZEWが急激に落ち込む結果になっ た」とし、「欧州経済は内憂外患の状態で全体的に景気回復が阻害され る可能性が出てきている」と指摘。「景気回復スピードが鈍化する懸念 は今後もユーロ相場を圧迫する」とみる。

--取材協力:大塚美佳、Mariko Ishikawa.

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