債券先物は反落、高値警戒や株高で売り-30年債の需給の良さが下支え

債券先物相場は反落。高値警戒感や 株式相場の上昇を背景に売りが優勢となった。一方、前日に入札が順調 だった30年債は需給が良好で、利回りは2週間ぶり低水準を付けた。

長期国債先物市場で中心限月の9月物は前日比2銭高の146円14銭 で開始後、下げに転じた。午後に入ると、株価の堅調推移を背景に水準 を切り下げ、一時は4銭安まで下落。その後、再び146円14銭まで戻し たが、買いは続かず、結局は2銭安の146円10銭で引けた。

日本相互証券によると、現物債市場で長期金利の指標となる新発10 年物国債の334回債利回りは横ばいの0.51%で始まり、その後も同水 準。20年物の149回債利回りも横ばいの1.365%。30年物の43回債利回り は1ベーシスポイント(bp)低い1.66%と7月30日以来の低水準。

日本興亜損害保険運用企画部の西田拓郎課長代理は、債券市場につ いて、「最近、ロシア情勢などをめぐり、金利低下圧力が強かった反動 でやや売りが出ている」と話した。

日銀がきょう実施した長期国債買い入れオペ3本(総額2400億円) の結果によると、残存期間1年以下の応札倍率は4.41倍と前回の5.23倍 から低下。25年超も4.03倍と前回の5.59倍から低下した。前日の30年債 入札が順調な結果で、オペでも足元の需給の良さが示された。一方、10 年超25年以下は4.55倍と前回の3.80倍から上昇した。

財務省はあす14日午前、5年利付国債の入札を実施する。表面利率 (クーポン)は前回債と同じ0.1%か、0.1ポイント高い0.2%となる見 込み。発行額は2兆7000億円程度。

日本興亜損害保険の西田氏は、5年債入札について、「地政学的リ スクがくすぶり、波乱が起きる状況ではないため、順調に通過できそう だ。無難からやや強めではないか。金利水準は低いものの、余剰資金を 抱えているため、利回り曲線を徐々に長いゾーンへ向けてつぶしていく 流れ」だと話した。

4-6月期のGDP統計

内閣府が13日午前に発表した4-6月期の国内総生産(GDP)速 報値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比年率で6.8%減と、2四 半期ぶりのマイナス成長となった。ブルームバーグ・ニュースの事前予 想の同7.0%減をやや上回った。

野村証券の松沢中チーフストラテジストは、GDP統計は市場予想 とほぼ変わらず、債券には中立と指摘。「前期比年率6.8%マイナスと 1-3月期のプラス幅6.1%をやや上回る落ち込み。今統計のみでは消 費増税後に景気が思ったよりも落ち込んだことは分かるが、回復モメン タムが失われたかの判断は困難」と説明した。

金融政策への影響については、「日銀は次回10月の経済見通し改定 で下方修正の可能性があるが、修正は小幅にとどまりそう。引き続き潜 在成長率を上回る伸び率であろうことからも、追加緩和には距離を置く 姿勢を続けるだろう」と言う。

JPモルガン証券の足立正道シニアエコノミストは、GDP統計を 受けて「日銀の追加緩和の可能性が高まったと考える必要はない」と指 摘。「政府・日銀は夏にかけて回復すると見込んでいる。GDPより他 の指標を見て、現状の政策を続ける基本シナリオ。GDPが弱いこと認 めつつも、足元は回復していることを強調してくるだろう」と話した。

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