三菱重社長:米大陸、東南アジアで拡大検討、M&A継続も

2017年度に売上高で今期見通し 比25%増にあたる5兆円を目指す三菱重工業は、アメリカ大陸や東南ア ジアでのエネルギーや交通事業での拡大を図る。6月に仏アルストムの エネルギー事業買収に失敗したが、引き続き合併・買収(M&A)や連 携を通じての成長も模索する。

事業拡大に向けて注力する地域として「北・中・南米と東南アジ ア。その次が中東とアフリカとなる」と宮永俊一社長は11日、ブルーム バーグ・ニュースのインタビューで述べた。事業領域として、米大陸で はエネルギーと交通、東南アジアではエネルギー、交通、機械・設備な どを挙げる。さらに製鉄機械など「適している分野」では、地域を選ば ず「今後ともM&Aはやるつもり」と話した。

三菱重は独シーメンス、日立製作所と連携し、アルストムに対して 買収提案を行ったが、先に提案していた米ゼネラル・エレクトリック (GE)との争奪戦の末、GEに軍配が上がった。エネルギー分野での グローバル戦略は見直しとなったが、製鉄機械分野では日立、IHIの 3社で出資した三菱日立製鉄機械を通じて、シーメンスとの合弁会社を 来年1月に設立する予定。

宮永社長は、グローバル展開の際に国内企業には言葉の壁という 「ディスアドバンテージ」(不利な条件)があると話す。それを補うた め、ITなどの力も借りながら日本人が持つ「勤勉さ、細やかさ」を強 みにすべくアピールしたいと言い、「そういう中に、いろいろなM&A も出てくる」と述べた。

日立との経営統合

三菱重と日立は2月、三菱日立パワーシステムズを設立した。両社 のさらなる提携強化の可能性について「どの分野というのはお互い分か っていないのではないか。できるものがあればもちろんやりたい。しか し、なかなか製鉄とパワーを既にやっており簡単には見つからないだろ う」と話した。

両社は11年8月、一部報道で経営統合に向け協議を始めることで基 本合意したとされ、その後両社とも否定するコメントを出した。日立の 中西宏明会長兼最高経営責任者(CEO)は先月のブルームバーグ・ニ ュースのインタビューで、三菱重との全面的な経営統合を協議する可能 性について「否定してはいけないと思う」と述べている。

三菱重の前期の連結営業利益は過去最高を更新する2061億円で、14 年4-6月期の営業利益は同四半期として過去最高を更新した。今期は 中期経営計画の最終年度に当たるため、17年度以降に売上高5兆円を目 指す次期事業計画を今期中に発表する予定。

「できる限りの攻撃」

アルストムへの買収提案について、宮永氏は「受け身だったが、で きる限りの攻撃はした」と話す。「アルストムは非常に大きい事業体で あり、ああいう形でわれわれが戦ったことで、結局GEの独走を抑制 し、ぼほ2分割されたようなもの」と述べた。GEはガスタービン事業 のみ直接買収となり、その他のエネルギー事業は合弁設立にとどまっ た。

宮永氏は「きょう明日、すぐに脅威があるかとではない」と話す。 2社の事業統合が良い形で進めば「海外での火力発電、中小型への影響 を懸念することになる」ものの、「あの規模ならわれわれは戦っていけ る」と述べた。

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