4-6月GDP年率6.8%減、駆け込み反動で震災以来の下げ幅

4-6月期の実質国内総生産 (GDP)速報値は前期比年率で6.8%減と、2四半期ぶりのマイナス 成長となった。消費税率引き上げ前の駆け込み需要の反動で個人消費が 大きく落ち込んだうえ、設備投資も全体の足を引っ張った。

内閣府が13日発表したGDP速報値は物価変動の影響を除いた実質 で前期比1.7%減。項目別では全体の約6割を占める個人消費が5.0%減 と前期から急減した。設備投資は2.5%減。公共投資は0.5%減。一方、 輸入の減少が輸出の減少を大きく上回ったことで外需の寄与度はプラ ス1.1ポイントと4期ぶりにプラスに転じた。

ブルームバーグ・ニュースによる事前調査の予想中央値は年率換 算7.0%減、前期比1.8%減。実績は予想をやや上回ったが、東日本大震 災があった2011年1-3月(6.9%減)以来の落ち込みとなった。前期 (1-3月)の実質GDP成長率は前期比1.5%増、年率換算6.1%増に 小幅下方改定された。安倍首相は7-9月期のGDPなどを踏まえて消 費税率10%への引き上げを年内に決定する。

みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミストは発表後のリ ポートで、個人消費は駆け込み需要の反動を主因に大幅な落ち込みにな ったと指摘。反動が一巡した後も、「実質可処分所得が切り下がったこ とが家計に対する重い圧迫要因になっていることから、個人消費に今後 の景気の『けん引役』を期待するわけにはいかないだろう」という。

景気認識は変わらない

甘利明再生相は発表後に談話を公表し、「景気は緩やかな回復基調 が続いており、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動も和らぎつ つある」との見方を示した。また、月例経済報告で示した景気認識に変 わりはないとも述べた。

政府は7月17日に発表した月例経済報告で「景気は緩やかな回復基 調が続いており、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動も和らぎ つつある」として、情勢判断を6カ月ぶりに引き上げるとともに、個人 消費についても「持ち直しの動きがみられる」として、2カ月連続で上 方修正した。

日本銀行は8日の金融政策決定会合で、全員一致で金融政策運営の 現状維持を決定。景気は「基調的には緩やかな回復を続けている」との 情勢判断は据え置いたが、輸出については「弱めの動きとなっている」 として、前月までの「横ばい圏内」から下方修正。生産も「足元では弱 めの動きとなっている」として前月から判断を後退させた。

目標達成には1.2%成長が必要

政府の14年度の実質成長率見通しは1.2%増、日銀はプラス1.0%増 (政策委員の見通しの中央値)。内閣府はGDP発表資料で、政府目標 を達成するためには、14年度の残りの3四半期で前期比1.2%程度の伸 びが必要としている。

野村証券の松沢中チーフストラテジストは統計発表後のリポートで 「この内容を受けて日銀は次回10月の経済見通し改定において下方修正 の可能性があるが、修正は小幅にとどまり、また引き続き潜在成長率を 有意に上回る伸び率であろうことからも、追加緩和には距離を置く姿勢 を続けるだろう」としている。

SMBC日興証券の牧野潤一チーフエコノミストは統計発表後のリ ポートで、「7-9月期以降はリバウンドが期待できるものの、14年度 の実質GDPは前年比0.3%増程度となる見込みだ」と指摘。これは日 銀の見通しや政府見通しと比べても大幅に下振れしており、「金融・財 政政策への期待につながりやすいだろう」としている。

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