ロシアの支援車両、国境に接近-ウクライナは入国の条件提示

ロシアがウクライナ東部の親ロ派武 装勢力の支配地域に人道的な支援物資を届けるために派遣したトラック が国境に近づいており、ウクライナ政府は入国条件を提示した。赤十字 国際委員会(ICRC)はロシアに対し、支援団に関する詳細な情報の 提供を求めた。

ロシア政府によると、食料や医薬品、飲料水2000トン相当を積んだ トラック280台が12日にモスクワを出発。赤十字の指揮の下、ウクライ ナに入る見込み。ウクライナ側はトラックが親ロ派を支援するための軍 装備品を積んでいるのではないかと疑念を表明している。

ICRCの欧州部門責任者、ローレント・コルバス氏はウェブサイ トに掲載されたビデオで、「こうした活動を始める前に、実行されるべ き手順や具体的なステップに関して最初にある程度明確にすること」が 必要だと指摘。「例えば安全性の保証、また全当事者と直接話すことが ぜひとも必要だ。これがまだ解決していない。トラックの積載物やこの 支援車両の規模、引き渡されるさまざまな物資について正確に把握する 必要もある」と説明した。

支援をめぐる対立の背景にはウクライナ軍が親ロ派の拠点ドネツ ク、ルガンスク両市の包囲網を狭め、数千人が水不足や停電を強いられ ていることがある。

事件の恐れとの見方

コンサルティング会社ユーラシア・グループのアナリスト、アレク サンダー・クリメント氏は電子メールで、「ロシアの支援団派遣は計算 されたものであれ偶然であれ、何らかの事件を引き起こす可能性を高め る。事件が起こればロシア政府はウクライナ側と国際組織に十分な安全 を確保する意思と能力がないと主張することが可能になり、危機の深刻 化につながり得る」と述べ、「この論理によって、ロシアは支援従事者 の保護の名目で部隊を派遣することになろう」と説明した。

ロシア外務省はウェブサイトで、支援車両はロシア国内のベルゴロ ドとウクライナのハリコフに挟まれた国境部に向かっていると述べた。

ロシアのラブロフ外相は12日、同国南部ソチで記者団に、「われわ れは今回の活動全般に関するウクライナ側の要望を全て考慮に入れた」 と発言。トラックは国境を越える際、ウクライナのナンバープレートを 与えられると述べた。

同相は国境でICRCの代表が支援車両を点検し、その後トラック はまずルガンスク州に向かう予定だと説明。国境で他の車両に支援物資 を移すという要求をウクライナ当局者は取り下げたと述べた。さらに、 支援車両の安全確保のため、親ロシア派に「警告」が発せられたと語っ た。

米国務省のハーフ報道官はワシントンで記者団に、ウクライナ側は 支援団派遣への対応策に「満足している」と述べた。

原題:Russia Aid Convoy Nears Border as Ukraine, Red Cross Set Demands(抜粋)

--取材協力:Rebecca Christie、Ian Wishart、Daria Marchak、Sangwon Yoon、Gregory Viscusi、Kateryna Choursina.

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