ドル・円は102円台前半、地政学リスク緩和で円買い圧力後退

東京外国為替市場では、ドル・円相 場が1ドル=102円台前半で推移。ウクライナやイラク情勢をめぐる地 政学的リスクの緩和を背景に、円買い圧力が後退している。

午後3時7分現在のドル・円相場は102円28銭付近で推移。朝方に 付けた102円18銭から一時は102円36銭と、3営業日ぶりの水準までドル 高・円安に振れた。

みずほ証の鈴木健吾チーフFXストラテジストは、「中長期的には まだ油断はできないものの、目先は地政学的リスクで経済に急激な影響 はなさそうだという見方に落ち着いている」と指摘。その上で、日本株 の上昇を背景に「若干円売り・ドル買いが優勢」になっていると言う。

11日の米株式相場は、ウクライナやイラク情勢の緊張が緩和してい るとの楽観的見方を背景に主要3株価指数がそろって続伸。欧州株も全 面高となった。この日の東京株式相場は午後の取引で日経平均株価が一 時マイナスに沈む場面もあったが、続伸して取引を終えた。

鈴木氏は、ドル・円相場について、101円から103円のレンジをコア にして、上下に抜けた水準でほとんど定着しない状況が続いており、足 元では200日移動平均線上での推移になっていると説明。「地政学的リ スクと株価にらみ」という状況下で、動きにくいとしている。

日米景気動向を見極め

米連邦準備制度理事会(FRB)のフィッシャー副議長は11日、ス ウェーデン財務省がストックホルムで開催した会合で講演し、米国で労 働力の供給が伸び悩んでいることについて、長期的な経済成長の鈍化に つながりかねず、「懸念材料」だと述べた。米経済は住宅部門が回復の 重しになっているほか、新興市場の「広範な」減速にも見舞われている とも語った。

今週は米国で13日に7月の小売売上高、15日には同月の鉱工業生産 や生産者物価指数(PPI)が発表される。

三井住友銀行の山下えつ子チーフエコノミスト(ニューヨーク在勤 )は、来週に米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録の公表など金融 政策関連の材料を控え、経済指標への反応は限定的になる可能性がある とした上で、「地政学リスクが一段落しているので、経済そのものが大 丈夫かどうなのかということで今週の指標も全く無視しているというこ とではない」と言う。

また、13日には日本で4-6月期の国内総生産(GDP)が発表さ れる。ブルームバーグ・ニュースがまとめた実質GDPの予想中央値は 前期比1.8%減、年率換算では7.0%減。山下氏は、「今回はマイナス幅 の出方によっては、やはり為替や日本の株にも影響が及ぶかもしれない 」とみる。

--取材協力:大塚美佳.

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