日本株は続伸、海外市場と円安定-素材や商社、内需広く買い

東京株式相場は続伸。地政学リスク の後退から前日の海外金融市場が落ち着いた動きを見せ、行き過ぎたリ スク回避の修正が続いた。円相場の安定も好感され、ガラス・土石製品 や鉄鋼など素材関連株、商社や精密機器株が上昇。電力や陸運、建設と いった内需関連株も買われた。

TOPIXの終値は前日比5.18ポイント(0.4%)高の1257.69、日 経平均株価は30円79銭(0.2%)高の1万5161円31銭。

ドルトン・キャピタル・ジャパンの松本史雄ファンドマネージャー は、「日本株は海外ほど調整していなかったことで先週末は地政学リス クと円高の影響から下げが大きくなった」とする一方、「米景気に変調 が起きているわけではないため、上昇基調の見方は変えなくて良い」と も話した。

ウクライナ情勢への不安から、8月に入り調整色が強まっていた欧 州のユーロ・ストックス50指数は、11日の取引で1.4%高と4営業日ぶ りに反発。米国株も上げた。米国株投資家の恐怖心理を示すシカゴ・オ プション取引所(CBOE)のボラティリティ指数(VIX) は、9.8%低下の14.23と8月に入ってからの最低水準となり、行き過ぎ たリスク回避の反動が出ている。

ウクライナのポロシェンコ大統領は赤十字の支援を受け、ドネツク とルガンスクに国際部隊が人道支援を提供するだろうと述べた。これに 先立ちロシアのラブロフ外相は、支援の段取りについてウクライナ政府 と合意が成立していることを明らかにした。一方、米軍はイラクの過激 派組織「イスラム国」に対する空爆を11日も続行した。

きょうの為替市場ではリスク回避の円買いが一巡し、ドル・円相場 は1ドル=102円30銭台までドル高・円安が進んでいる。きのうの東京 株式市場の終値時点は102円13銭だった。

売買は低調、内外景況感が重しに

日経平均は8日に454円下落し、きのうは352円高、きょうは一 時105円高と7日の終値前後まで戻す場面があった。マネックス証券の 広木隆チーフ・ストラテジストは、「イラク空爆のニュースに過剰反応 した前週末の急落分をきのう、きょうで帳消しにする動き」と言う。さ らに、「為替の円安に株価が反応する形にもなっている。あすの国内総 生産(GDP)が悪ければ、追加緩和の議論も出るだろうし、円高にな る材料は乏しい」と指摘する。

もっとも、米連邦準備制度理事会(FRB)のフィッシャー副議長 の発言や日本の4-6月期GDPの発表を控え、株価指数の上値も限定 的。三井住友信託銀行の瀬良礼子マーケット・ストラテジストは、夏季 休暇で取引参加者も少なく、値が飛びやすいとの見方も示していた。

FRBのフィッシャー副議長は11日の講演で、景気について「回復 は世界的に期待外れ」で、途上国経済の成長減速は「広範にわたってい る」と発言した。13日発表の4-6月期GDPは、ブルームバーグのエ コノミスト予想で前期比年率7%減と、7四半期ぶりのマイナス成長が 見込まれている。

東証1部33業種はガラス・土石、精密、電気・ガス、卸売、医薬 品、陸運、鉄鋼、建設、海運など30業種が上昇。情報・通信、その他金 融、繊維の3業種は小安い。鉄鋼では、クレディ・スイス証券がファン ダメンタルズは想定通りの改善を示し、各社に業績上方修正余地が生じ ていると分析した。

売買代金上位ではコロプラ、KLab、三井物産、バンダイナムコ ホールディングス、大成建設、東洋ゴム工業、ディー・エヌ・エー、大 東建託、ミネベアが高い。ハピネット、アイフル、KDDI、SMC、 三井化学、戸田建設は下げた。東証1部の売買高は16億1823万株、売買 代金は1兆6181億円、代金は7月29日以来の低水準だった。値上がり銘 柄数は1017、値下がりは662。

--取材協力:Anna Kitanaka.

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