米国債:10年債利回り、1年ぶり低水準付近-ウクライナ情勢

米国債市場では、10年債利回りが1 年ぶり低水準付近で推移。ウクライナでの混乱が深刻化するとの観測が 広がっている。

ロシアが人道支援の名目で、ウクライナ東部の反政府勢力支援のた め軍事行動を起こすとの懸念が強まり、10年債利回りは上げを縮めた。 ロイター通信によれば、北大西洋条約機構(NATO)のラスムセン事 務総長は、ロシアが軍事介入に踏み切る「可能性は高い」と述べた。米 財務省は今週、発行総額670億ドルの国債入札を実施する。

CRTキャピタル・グループ(コネティカット州スタンフォード) の政府債ストラテジスト、イアン・リンジェン氏は「ウクライナをめぐ るロシアと西側諸国との間の緊張が続いており、それを受けて米国債へ の逃避需要が見られる」と述べた。同氏はまた、5年債と7年債の買い を勧めた。国債入札を背景に両年限のパフォーマンスが他を上回るとみ ている。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは前日比1ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)未満上昇し2.43%。一時2.44%まで上げた。8日に は2.35%と2013年6月以来の低水準に下げた。同年債(表面利 率2.5%、2024年5月償還)価格はこの日2/32下げて100 5/8。

5年債利回りは1bp未満低下の1.62%。一時1.64%に上げた。8 日には1.53%と、5月30日以来の低水準を付けた。

売買高は減少

米政府債のディーラー間ブローカーで最大手のICAPを通じた米 国債の売買高は1940億ドルと、8日の3560億ドルから46%減少。年初来 の平均は3260億ドル。今月1日には5040億ドルと3カ月ぶり高水準に達 し、4日には1970億ドルに減った。

米国債のボラティリティを測るバンク・オブ・アメリカ(BOA) メリルリンチのMOVE指数は、60.3bp。8日に62.5bpと6月5日 以来の水準に上昇した。年初来の平均は59。今月1日には52.3と13年5 月以来の水準に下げていた。

ブルームバーグ米国債指数によると、年初から8日までの米国債リ ターンはプラス3.8%。昨年は年間でマイナス3.4%だった。

三菱UFJ証券USAのシニア米国債トレーダー、トーマス・ロス 氏(ニューヨーク在勤)は「不安は投資判断を動かす極めて強い要素 だ」とし、「不安を振り払うことはできないようだ」と続けた。

ウクライナ情勢、国債入札

赤十字は反政府勢力が制圧しているウクライナ東部が人道的な支援 を得られるよう取り組んでいると表明した。

NATOは、プーチン大統領が人道的または平和維持の活動との名 目で軍事介入を行う可能性があると指摘している。またロイター通信は NATOのラスムセン事務総長の11日の話として、ロシアがウクライナ 国境付近から軍を撤退させている兆候は見られないと報じた。

米財務省は12日に3年債(発行額270億ドル)、13日に10年債 (同240億ドル)、14日に30年債(同160億ドル)の入札を実施する。

CIBCワールド・マーケッツのマネジングディレクター兼米国債 トレーディング責任者、トーマス・トゥッチ氏(ニューヨーク在勤)は 「今週の入札では、現在の利回り水準で強い需要があるかどうかが示さ れる」とし、「長期債で多くの供給がある。この利回り水準を維持でき るかについては、今回の入札で答えが出るだろう」と述べた。

原題:Treasury Yields at Almost One-Year Low Amid Ukraine Speculation(抜粋)

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