日本株は大幅反発、地政学リスク後退や円高一服-幅広く上げ

東京株式相場は大幅反発。地政学リ スクの後退や為替の円高一服が好感され、国内株式需給への期待も後押 しした。業績評価の動きも加わり、保険株が業種別の上昇率トップ。化 学など素材関連、電機など輸出関連、食料品株などが幅広く買われ、東 証1部33業種中、ゴム製品を除く32業種が高い。

TOPIXの終値は前週末比24.25ポイント(2%)高の1252.51、 日経平均株価は352円15銭(2.4%)高の1万5130円52銭。

三井住友トラスト・アセットマネジメントの三沢淳一執行役員は、 「先週はイラク情勢を受けて過剰に反応したが、経済や業績に直接的に は影響は出ないとして下げた分を戻している」と指摘。ウクライナ情勢 も、「直ちに不測の事態には至らないという見方が強い」と言う。

ロシアはウクライナでの衝突鎮静への努力をしている、とロシア通 信が8日に報道。アストラハン州のアシュルク射撃場で4日から行われ ていた演習は8日に終了し、部隊はそれぞれ所属基地に戻ると、インタ ファクスがロシア国防省を引用して伝えている。ウクライナの親ロシア 派反政府勢力は9日、人道的な理由から停戦を提案した。

また、8日の日本株急落の大きな要因となった米国によるイラクへ の限定的な空爆については、ファンダメンタルズに直接影響を与えない と受け取られ、同日の米国株には悪影響を及ぼさなかった。8日のS& P500種株価指数は、3月以降で最大の上げだった。

米国市場の落ち着きに加え、きょうのドル・円相場は1ドル=102 円10銭近辺で推移。ウクライナ情勢の緊張緩和を受けて安全資産への逃 避需要が後退、8日の東京株式市場の通常取引終了時点101円77銭から 円安方向に振れたことは、週明けの日本株の支援材料になった。

株式需給期待も、売買は低調

国内の材料面では、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF) が5日に開いた運用委員会で、現状18%の国内株式保有上限を撤廃した ことが分かった、と10日付の日本経済新聞朝刊が報道。9月以降は、国 内株式の割合を20%台に増やすとしている。「来年度からではなく、期 中から株式保有割合を増やすのはマーケットにとってサプライズ」と、 岡三証券の平川昇二チーフエクイティストラテジストは指摘した。

さらに、前週の日経平均下落率は4月第2週以来の大きさで、東証 1部の上昇・下落銘柄数の百分比を示す騰落レシオも8日に78%まで低 下。短期的に売られ過ぎ感も強かった。国内の「マクロは若干不透明感 があるが、業績面では保守的な会社見通しの上振れ期待がある」と、三 井住友トラストの三沢氏は話している。

もっとも、株価指数は前週末8日の急落分(日経平均で454円、 TOPIXで29.86)を完全には埋め切れず、先物主導とあって値幅に 比べれば売買代金も低調だった。東証1部の売買高は18億7491万株、売 買代金は1兆8609億円。

東証1部33業種は保険、食料品、建設、化学、倉庫・運輸、非鉄金 属、繊維、その他金融、不動産、パルプ・紙などが上昇率上位。保険で は、8日の取引終了後に決算を発表したMS&ADインシュアランスグ ループホールディングス、8日午後に発表した東京海上ホールディング スをはじめとする生・損保6社の4-6月決算について、ゴールドマ ン・サックス証券では全社で利益が想定以上と評価した。

売買代金上位ではコロプラ、KDDI、ファーストリテイリング、 富士フイルムホールディングス、JT、三井不動産、日立製作所、ユ ニ・チャーム、花王、SMC、クレディセゾン、日東電工などが高い。 東洋ゴム工業やSUMCO、光通信は売られた。東証1部の値上がり銘 柄数は1654、値下がりは138で、全体の91%が高い。

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