米国債(8日):週間ベースで1カ月ぶり大幅高、世界情勢不安

米国債市場では10年債が週間ベース でほぼ1カ月ぶりの大幅上昇となった。中東やウクライナでの紛争を背 景に、米国債の安全性を求める買いが強まった。

オバマ米大統領のイラク空爆承認や、パレスチナ自治区ガザでの停 戦が延長されなかったことを背景に、米10年債と30年債の利回りは約1 年ぶりの低水準となった。この日はロシアがウクライナでの緊張緩和に 取り組んでいる兆しを背景に、上げを消す展開となった。

BNPパリバの金利ストラテジスト、アーロン・コーリ氏(ニュー ヨーク在勤)は、「地政学的問題が次々と表面化し、買いが強まった」 と指摘。「米国債市場では売りのタイミングがつかみにくい状況だっ た」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは週間ベースで7ベーシスポイント(b p、1bp =0.01%)低下と、7月11日終了週以来の大幅低下。この 日は前日比ほぼ変わらずの2.42%。一時は6ベーシスポイント(bp、 1bp =0.01%)低下の2.35%と、2013年6月20日以来の低水準をつ けた。同年債(表面利率2.5%、償還2024年5月)価格は2/32下げて100 22/32。

30年債利回りは週間で5bp低下の3.23%、前日比ではほぼ変わら ずだった。この日は一時は3.18%と、13年6月6日以来の低水準となっ た。

この日の国債市場は一時、世界的に上昇していた。米軍の戦闘機は イラクの武装組織 「イスラム国」を空爆した。米軍が戦闘機2機で爆 撃したのは、同武装組織がクルド人自治区の主要都市アルビルを攻撃す るために使っていた砲撃拠点。国防総省のカービー報道官が発表した。 アルビルには米国の外交官や軍職員が駐在している。

イラク、ガザ

オバマ米大統領は前日、限定的な空爆を承認。米当局者を守るた め、またイラク北部中心に居住する少数派ヤジディ教徒の虐殺を防止す るために必要な措置と説明した。ヤジディ教徒は武装組織の標的とされ ており、今週に入って数千人が住居を追われた。

イスラエル軍は武装勢力からのロケット弾発射への報復として、パ レスチナ自治区ガザを空爆した。

ドイツ10年債利回りはこの日一時4bp低下の1.023%と、過去最 低をつけた。独2年債は13年5月以来の低水準となるマイナス0.005% まで下げる場面もあった。

大和証券キャピタル・マーケッツ・アメリカの債券部門責任者、レ イ・レミー氏(ニューヨーク在勤)は、米10年債利回りは同年物の独国 債の2倍以上の水準にあると指摘。利回りが高いため、「国際マネー」 が米10年債に引き続き流入してくるだろうと述べた。

米国債の利回りが他の国債利回りより高いことも、買いを呼び込ん だ。米国を除く主要7カ国(G7)の国債平均利回りに対する米10年債 の上乗せ利回りは69bp。過去1年間の平均は49bpだった。7月31日 には78bpと、2007年以来の最大となった。

ウクライナ

ロシア国防省がこの日、ウクライナ周辺地域での戦闘機の演習を終 了したと明らかにしたことを受けて、米国債は伸び悩んだ。ロシアはウ クライナでの衝突鎮静への努力をしていると、ロシア通信は報じた。

RWプレスプリッチの政府債取引担当マネジングディレクター、ラ リー・ミルスタイン氏(ニューヨーク在勤)は「ウクライナへの懸念は 弱まったと考えられている」と指摘。「最近の上昇はすべて安全逃避の 買い、地政学的リスクによるものだ」と述べた。

原題:Treasuries in Biggest Weekly Gain in a Month Amid Global Turmoil(抜粋)

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