債券は上昇、米イラク空爆承認で買い-長期金利1年4カ月ぶり低水準

債券相場は上昇。米国のオバマ大統 領がイラク空爆を承認し、株安・円高が進んだことが買い手掛かりとな った。長期金利は1年4カ月ぶり低水準に達した。

長期国債先物市場で中心限月の9月物は前日比10銭高の146円05銭 で取引を開始。午前10時半前後から水準を大きく切り上げ、一時は146 円20銭と、中心限月で昨年4月5日以来の高値を記録。結局は21銭高 の146円16銭で引けた。夜間取引では146円23銭まで上昇している。

マスミューチュアル生命保険運用戦略部の嶋村哲金利統括グループ 長は、地政学的リスクが意識され、世界的にリスク回避の動きとなって いると指摘。「オバマ大統領のイラク空爆承認を受けて、米10年国債は 直近高値を抜けた。リスク回避により、行き場を失った資金が米10年債 に流入。今晩に米国債が一段と買われる可能性もある」と話した。

日本相互証券によると、現物債市場で長期金利の指標となる新発10 年物国債の334回債利回りは1ベーシスポイント(bp)低い0.515%で開始 し、午前10時半前後から大きく水準を切り下げ、午後3時すぎに は0.50%と昨年4月8日以来の水準まで下げた。5年物の119回債利回 りは0.5bp低い0.145%。20年物の149回債利回りは2.5bp低い1.36%。30 年物の43回債利回りは2bp低い1.675%。

JPモルガン証券の山脇貴史チーフ債券ストラテジストは、オバマ 米大統領がイラクの空爆を承認したとの報道を受けて円高・株安に振れ て地政学的リスクが意識され、円債は買いが優勢と指摘。「中東から東 欧にかけて緊張感が高まっており、世界経済への影響が懸念される」と 話した。

オバマ米大統領はイラクのイスラム過激派に対する空爆を承認し、 イラク市民への食料と飲料の投下のために米軍機を派遣したと発表。東 京株式市場でTOPIXは前日比2.4%安の1228.26で引けた。外国為替 市場で円は1ドル=101円台後半に上昇している。

日銀会合

日銀は8日の金融政策決定会合で、政策方針の現状維持を全員一致 で決めた。景気については「基調的には緩やかな回復を続けている」と いう情勢判断は据え置いた一方、輸出と生産の判断を下方修正した。輸 出、生産とも下方修正したのは、白川方明前総裁の下で景気後退局面に あった2012年11月以来となる。

今回の日銀会合での結果を踏まえて、黒田東彦総裁は午後3時半か ら定例会見を行った。野村証券の松沢中チーフストラテジストは「地政 学リスクの高まりに関しては景気見通しの不透明化というニュアンスで 言及をするだろうが、定量的な分析をできるほど情報がない」と指摘。 注目点として、「4-6月、7-9月を中心に国内総生産(GDP)見 通しの再下方修正の示唆が出てくるかどうか」と指摘していた。

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