ソフトバンク:4-6月期純利益776億円、市場予想下回る

米携帯電話会社TモバイルUS買収 を断念したソフトバンクの4-6月期の純利益は市場予想を下回った。 傘下のアリババ・グループ・ホールディングの上場準備に伴う会計処理 上の損失を計上したほか、同業他社が契約純増数を増やした影響を受け た。

4-6月期の純利益は776億円で、アナリスト3人の予想平均 は1285億円だった。営業利益は3376億円と、市場予想2961億円を上回っ た。売上高は1兆9922億円(市場予想2兆490億円)。今期予想の営業 利益1兆円、売上高8兆円に変更はない。

ソフトバンクは、2013年に米携帯3位のスプリントを買収。同社が 上位のライバル企業、ベライゾン・コミュニケーションズやAT&Tに 対抗できるよう同4位のTモバイル買収を目指してきた。しかし関係者 によると、米国規制当局からの承認獲得をめぐる懸念から、協議打ち切 りを決断した。孫正義社長は決算会見で、Tモバイル買収についてはコ メントしないと述べるとともに、スプリント自身で業績拡大を図る考え を示した。

発表資料によると、アリババ上場に伴う会計上の損失を含め634億 円の持ち分法による投資損を計上した。一時損益を除いたベースの純利 益は前年同期比90%増としている。アリババに関連する損失は上場時に 利益として繰り入れられる。

SMBC日興証券の菊池悟アナリストは「契約純増数は各社と比べ てこの程度だと想定」していたとし、営業利益が上振れたことについて はスプリント決算で利益が出ていたことが貢献したとした。米国事業に 関してはこれからどう改善していくか議論が深まるだろうと述べた。

同業他社の契約獲得加速

子会社のワイモバイルを含めたソフトバンク全体の4-6月の純増 数は54万8000件(前年同期は94万7000件)だった。NTTドコモの7 月25日の発表によると、4-6月の純増数は46万1000件で、前年同期と 比較して5倍超。米アップルのiPhone (アイフォーン)の販売 や6月に始めた新料金プランが好調だった。

孫正義社長はベライゾン・コミュニケーションズとAT&Tの2強 に対抗するため、9カ月にわたってTモバイル買収実現に向けて取り組 んできたが、実現しなかった。6月の株主総会では、米国市場につい て、人口も国内総生産(GDP)も伸びており、「挑戦したい」とTモ バイル買収へ意欲を示していた。しかし米司法省や連邦通信委員会 (FCC)など規制当局は、ソフトバンクが買収した同3位のスプリン トに続いてTモバイルを傘下に収めれば、米国の大手携帯電話事業者は 4社から3社に減り、競争が損なわれるとみていた。

今後もチャンスうかがう

孫社長は8日の会見で、米通信業界の現状について大手2社にシェ アが偏り過ぎているとの見方を示すとともに、これを改善することが健 全な競争環境には適しているとした。インターネットや通信分野で今後 も世界市場でチャンスをうかがっていくと話した。

FCCのウィーラー委員長は6日、「全米で4社の 携帯電話サー ビス会社は米消費者にとって好ましい」とのコメントを電子メールで発 表。「スプリントはこれから強力な競争への取り組みに注力する機会を 得る」と指摘した。これに関連して孫社長は会見で論評しないとした。

スプリントの単独での事業改善に向けソフトバンクは6日、子会社 の米携帯電話卸売会社ブライトスターの創業者のマルセロ・クラウレ氏 がスプリントの最高経営責任者(CEO)に就任すると発表。クラウレ 氏は同日行なわれたスプリントの株主総会で、コストについて「大規模 に」見直すとした上で、ネットワークの改善を続けなければならないと 話した。

スプリントが7月30日に発表した4-6月期決算によると、売上高 が約87億9000万ドルとアナリストの予想を上回ったものの、同期間に契 約者数は24万5000人減少している。一方、純利益は2300万ドル(1株当 たり1セント)と6年以上ぶりに四半期ベースでの黒字を確保した。

孫社長はスプリントのネットワークが改善したことを受けて販売に 力を入れるとし、「価格競争などは激しくなる」と述べた。ただしスプ リントが契約者数増に転じる時期については「やってみないと分からな い」と明言を避けた。

ソフトバンクは、米国で新規株式公開(IPO)の準備を進める中 国最大の電子商取引運営会社アリババ・グループ・ホールディングの株 式3割超を保有している。アリババ創業者のジャック・マ(馬雲)氏は ソフトバンクの取締役。

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