MUFG:モルガンSとの協業強化へ、人員増強-M&A拡大

三菱UFJフィナンシャル・グルー プの証券子会社は米モルガン・スタンレーからの出向者を増やしていき たい考えだ。海外事業の強化を目指す日本企業によるクロスボーダーの 合併・買収(M&A)助言など投資銀行業務を強化する。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の長岡孝最高経営責任者(C EO)はブルームバーグ・ニュースとのインタビューで、現在約100人 いるモルガンSからの出向者を今後長期間で増やしていきたい意向を示 した。ただ人数や時期などには言及しなかった。また、投資銀行部門で は約450人が働いているが、案件が増加してきたことから30-50人程度 人員を拡大したい考えも明らかにした。

2010年に発足したMUFGと米ウォール街のモルガンSの合弁証券 は、日本でのM&A助言業務のランキングで今年は現在首位。アドバイ ザリー業務は企業との信頼関係の構築に重要で、その後の公募増資など 資金調達案件の獲得にもつながる。このため、国内最大手の野村ホール ディングスや外資系証券が競争を繰り広げている。

長岡CEO(60)は6日のインタビューで、日本企業は「その技 術、商品のクオリティー、安全性、信頼性の高さからするともっと世界 の市場に出て行ける」と述べ、成長戦略としてクロスボーダーM&Aの 重要性を指摘。「モルガンSとのアライアンスを一番発揮できるのは M&Aだ」と語った。

三菱UFJは世界的な金融危機がピークに達した2008年10月、経営 難に陥っていた米モルガンSに90億ドルを出資。現在は20%強の株式を 保有している。10年5月に両社は合弁で日本に三菱UFJモルガン・ス タンレー証券とモルガン・スタンレーMUFG証券を設立した。

不動の地位求めて

ブルームバーグ・データによれば、三菱UFJモルガンはことし日 本企業関連のM&A案件21件(2兆7200億円相当)を助言した。アジ ア、欧州、米州など世界全体では米モルガンSは2位で、ゴールドマ ン・サックスに続いている。

6月にCEOに就任した長岡氏は、これまでは「たまたま1位だっ たが、不動の1位になるようにM&Aをやりたい」と決意を表明した。 一方で案件の増加により「M&Aチームはいっぱい、いっぱい」で多忙 を極めているという。長岡氏は先見性があり、付加価値を産み出すこと ができ、顧客企業から信頼される「経営のパートナー」となれるような 人材を増やしていきたいと語った。

長岡氏は1976年に慶応大学経済学部を卒業後、三菱銀行に入行。そ の後、三菱ダイヤモンド証券に出向、引き受け業務に従事した。エクイ ティ・キャピタル・マーケット部長などを経て、三菱東京UFJ銀行の 副頭取に就任した。趣味はヨットなどマリンスポーツ。

ECM

株式の引き受け業務では、三菱UFJモルガンは現在4位。野村が 首位で、SMBC日興証券、大和証券グループ本社が続く。スマートフ ォン向け無料通信アプリを運営するLINE(ライン)は7月までに東 京証券取引所に株式の上場申請を行っており、ニューヨークでの上場も 含め、モルガンS、野村と準備を始めたことが分かっている。

もう一つの合弁であるモルガン・スタンレーMUFG証券の業績も 好調だ。前期の営業収益は、2割増の1272億円と日本で業務を営む外資 系証券会社11社の中で最大だった。アベノミクスを背景に日本株の売買 や引き受け業務からの手数料が増加した。

モルガン・スタンレーMUFG証のジョナサン・キンドレッド社長 はブルームバーグ・ニュースの取材に対し、「日本企業と日本の機関投 資家がグローバル志向を強める中、顧客へのサービスやわれわれ自身の ビジネスを拡大させるための多大な機会があると考えている」と述べて いる。

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