8月7日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ドルが対ユーロで約9カ月ぶり高値-政策の違いを意識

7日のニューヨーク外国為替市場ではドルが対ユーロでほぼ9カ月 ぶりの高値に上昇。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は金融政策の 方向が米国と長期にわたって乖離(かいり)する可能性を示唆した。

ドルは主要16通貨のほとんどに対して上昇。米失業保険申請件数が 前週比で減少し、4週平均は8年ぶりの低水準となった。ロシア・ルー ブルは3カ月ぶり安値。ウクライナ情勢の緊迫化が影響した。豪ドルは 対米ドルで1カ月ぶりの大幅安。オーストラリアの失業率が上昇し、利 下げ観測が再び強まった。

ロイヤル・バンク・オブ・カナダのRBCウェルス・マネジメント でグローバル・ポートフォリオアドバイザーを務めるアラン・ロビンソ ン氏(シアトル在勤)は電話インタビューで、「ファンダメンタルズの 影響も出てきて、市場はユーロ安局面に入ったとの認識がある」と述 べ、「過去数カ月間で何か変化があったとすれば、地域経済の内容が予 想以上に異なるということがはっきりした点だ」と続けた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ドルは対ユーロで0.1%上昇して 1ユーロ=1.3364ドル。前日は11月8日以来の高値となる1.3333ドルを つけた。ユーロはこの日、対円で0.2%下げて1ユーロ=136円43銭。円 は対ドルでほぼ変わらずの1ドル=102円10銭。

ルーブルはドルとユーロから成るロシア中央銀行の通貨バスケット に対し、6日続落して0.3%安。一時は5月6日以来の低水準まで下げ た。

豪ドルが下落

豪ドルは主要31通貨の大半に対して下げた。豪統計局によれば、7 月の失業率は6.4%と、前月の6%から上昇。ブルームバーグ・ニュー スがまとめたエコノミスト24人の予想中央値は横ばいの6%だった。雇 用者数は前月比300人減少した。

豪ドルは対米ドルで0.9%下げた。一時は1%安と7月3日以来で 最大の下げを記録した。

先進10カ国の通貨で構成されるブルームバーグ相関加重通貨指数に よると、豪ドルは年初来5.5%上昇し、10カ国通貨のうち最大の上昇 率。円は4.6%上昇、ドルは1%高。一方、ユーロは2.1%下落した。

ドラギ総裁発言

イタリアがリセッション(景気後退)に逆戻りし米欧とロシアの間 の対立が深刻化する中で、ユーロ圏経済への逆風は強まっている。 ECBのドラギ総裁はユーロ圏の景気回復を損ねるリスクは増している との認識を示した。

ドラギ総裁は政策決定後の記者会見で「地政学的リスクの高まりと 新興市場国・地域および国際金融市場の動向が、経済環境に悪影響を与 える可能性がある」と述べた。ECBはこの日のフランクフルトでの会 合で、政策金利を据え置いた。総裁は「中長期的なインフレ期待を確実 にしっかりと安定させることを強く決意している」と言明した。

総裁はこれまでに、インフレ見通しを悪化させるような経済への外 的ショックは大規模な資産購入の引き金となり得ると述べている。

一方の米金融当局はこのままのペースで資産購入の縮小を継続した 場合、10月には終了する見通しだ。先物動向によると、2006年以来で初 となる利上げは来年7月までに実施されると見込まれている。

労働省が発表した先週の新規失業保険申請件数(季節調整済み) は28万9000件と、前週の30万3000件から1万4000件減少した。ブルーム バーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想中央値は30万4000件だっ た。

原題:Dollar at Almost 9-Month High Versus Euro as Policies Diverge(抜粋)

◎米国株:下落、ダウ平均は4月来の安値-ウクライナ情勢懸念で

米株式相場は下落。ダウ工業株30種平均は4月以来の安値となっ た。予想を上回る企業決算や失業保険申請件数の減少が好感されたもの の、ウクライナ情勢の悪化懸念が重しとなった。

医療保険のエトナなどヘルスケア関連が安い。タイソン・フーズも 下落。ロシアが制裁の報復措置として米国などからの食料輸入を禁止し たことに反応した。21世紀フォックスは上昇。同社の決算では、「X- MEN:フューチャー&パスト」などが寄与し、映画事業の利益が伸び た。

S&P500種株価指数は前日比0.6%安の1909.57。4月以降で初め て、終値ベースで100日移動平均を下回った。ダウ工業株30種平均 は75.07ドル(0.5%)下げて16368.27。

ウェルズ・ファーゴ・ファンズ・マネジメントのチーフ株式ストラ テジスト、ジョン・マンリー氏は「朝方発表された経済指標は明るい内 容だったが、ウクライナ情勢をめぐる不確実性で影が薄れた」と分析。 「株式相場は好調な経済データに順応した動きを見せていたが、地政学 的な緊張が起きると順応は難しい」と続けた。

S&P500種は7月24日に1987.98の過去最高値を付けて以 降、3.9%下落している。あと約60ポイント下げると年初来の上げが全 て消える。同指数は午後に入って1905を約2カ月ぶりに下回った後、下 げを拡大した。

ウクライナ情勢

北大西洋条約機構(NATO)のラスムセン事務総長はこの日ロシ アに対し、ウクライナから手を引くよう求めた。その後、S&P500種 は100日移動平均の1913.72を下回った。

ロシアはウクライナとの国境付近に兵士を集結させており、米国は ロシアがウクライナに侵攻するリスクがあると警告した。

欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は、ウクライナなどでの紛争 が景気回復を損ねるリスクが増しているとの認識を示した。

米国の経済指標を見ると、先週の米週間新規失業保険申請件数は前 週比で減少。4週平均は8年ぶりの低水準となった。

先週発表された7月の米雇用統計では、雇用者数は6カ月連続で20 万人を超える伸びとなった。また4-6月(第2四半期)の実質国内総 生産(GDP、速報値)は前期比年率4%増となった。

ブルームバーグのデータによれば、S&P500種の構成企業ではニ ューズ・コープやCBSなど17社が決算発表を行う。今決算シーズンに 発表を終えた企業では約75%で利益、65%で売上高がそれぞれアナリス ト予想を上回っている。

物色買いの機会

マニング・アンド・ネイピアのストラテジスト、グレッグ・ウッダ ード氏は「地政学的な懸念があると、投資家は常にある程度のリスクプ レミアムをつける」と指摘。「経済のファンダメンタルズが改善し、企 業業績も順調だ。マクロ経済面での懸念からややボラティリティが見ら れる。当社はこの状況を物色買いの機会と捉えている」と続けた。

シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数( VIX)は1.8%上昇の16.66。VIXは先週34%上昇した。

S&P500種の業種別10指数では8指数が下落。特に通信やヘルス ケア、素材が下げた。

エトナは4%安。ゴールドマン・サックス・グループが投資判断を 「買い」から「ニュートラル(中立)」に引き下げた。

タイソン・フーズは2%安。21世紀フォックスは5%高となった。

原題:Dow Falls to Lowest Since April as Ukraine Overshadows Earnings(抜粋)

◎米国債:続伸、ウクライナ情勢受け逃避需要-海外景気停滞も材料

米国債相場は続伸。10年債と30年債の利回りは年初来の低水準に近 づいた。ウクライナの危機やドイツ、オーストラリアの景気停滞を受 け、逃避需要が強まった。

米週間新規失業保険申請件数の4週間移動平均が8年ぶりの低水準 となったため、10年債は伸び悩む場面もあった。欧州中央銀行 (ECB)のドラギ総裁は地政学リスクの高まりが景気回復を損ね得る ことを認識していると述べた。ドイツ2年債利回りは一時、2013年5月 以来で初のマイナスとなった。オーストラリアの失業率が12年ぶりの水 準に上昇したため、豪国債は大幅上昇。

BTIGのチーフ・グローバル・ストラテジスト、ダン・グリーン ハウス氏は「ロシアとウクライナの紛争が引き続き市場の重しになって いる。現行の利回り水準は経済の状況と合致していない」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは6ベーシスポイント(bp、1bp =0.01%)低下の2.41%。一時は2.4060%と、5月29日以来の低水準を 付けた。年初来の最低は同日の2.4006%。同年債(表面利率2.5%、償 還2024年5月)価格は1/2高の100 3/4。

30年債利回りは5bp低下の3.22%。一時は3.2183%まで低下し た。年初来の最低は7月29日の3.2167%。

ロシアの食料禁輸

ロシアのメドベージェフ首相は7日、同国が欧州連合(EU)と米 国、カナダ、オーストラリア、ノルウェーからの食料輸入を禁止すると 発表した。

TDセキュリティーズの金利ストラテジスト、リチャード・ギルフ ーリー氏は対立により米国の利回りは低下する可能性が高いと指摘し、 「東欧からの飛び火が引き続き欧州中心国に悪影響を与え、短期的には 解決しそうにない」と述べた。さらに、欧州では「デフレリスクが高ま っている」と続けた。

欧州中央銀行(ECB)は7日、政策金利を据え置いた。ドラギ総 裁はウクライナ情勢や景気状況を指摘しながら、米国との金融政策のか い離が当面続くとの見解を示唆した。

ECBはフランクフルトで定例政策委員会を開き、短期金利の調節 手段である短期買いオペ(売り戻し条件付き債券買いオペ=レポ)の最 低応札金利を0.15%で据え置くことを決めた。ブルームバーグ・ニュー スがまとめたエコノミスト調査で57人全員が予想していた通りだった。

ECBは中銀預金金利もマイナス0.1%で維持、限界貸出金利 も0.4%に据え置いた。

米国の利上げ予想

米連邦公開市場委員会(FOMC)は来年、2006年以来で初めて利 上げに踏み切ると予想されている。

クレディ・スイス・グループは10年債利回りが3.75%に達する時期 の予想を来年後半に後退させた。クレディ・スイスのカール・ランツ氏 (ニューヨーク在勤)とヘレン・ハワース氏(ロンドン在勤)は顧客向 けリポートで、米国債に比べ世界の他の国債が相対的に低いため、米国 債利回りに低下圧力が掛かると指摘した。従来の予想は2015年半ばだっ た。

両氏はさらに「マクロ経済の動向は米国の利回りを押し上げる要因 になっているが、他の地域の低い金利の影響で米国債が相対的に魅力を 強めている」と続けた。

米労働省が発表した先週の新規失業保険申請件数(季節調整済み) は28万9000件と、前週の30万3000件(速報値30万2000件)から1万4000 件減少した。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想中 央値は30万4000件だった。より変動の少ない4週移動平均は29万3500件 と2006年2月以来の最低となった。

CIBCワールド・マーケッツのマネジングディレクター兼米国債 トレーディング責任者、トーマス・トゥッチ氏(ニューヨーク在勤)は 「失業保険統計は良好だったが、強い経済成長は関係なくなっている。 地政学要因が席巻している」と述べた。

原題:Treasuries Rally Sends Yields Toward 2014 Lows on Safety Demand(抜粋)

◎NY金:続伸、2週間ぶり高値-ウクライナ情勢受けた株安で

ニューヨーク金先物相場は続伸。2週間ぶりの高値となった。米株 式相場の下落を背景に、代替投資の買いが減退した。

RJOフューチャーズ(シカゴ)のシニア市場ストラテジスト、ト ム・パワー氏は電話インタビューで、「ウクライナ情勢の不透明感を要 因に株式相場が下げ、金を押し上げている」と指摘。「欧州をめぐる懸 念から、株式から金に流れている資金もある」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物12 月限は前日比0.3%高の1オンス=1312.50ドルで終了。一時は1315.50 ドルと、中心限月としては7月22日以来の高値をつけた。

原題:Gold Rises to Two-Week High as Equities Fall on Ukraine Conflict(抜粋)

◎NY原油:反発、イラク最大のダムをイスラム過激派が制圧

ニューヨーク原油先物市場のウェスト・テキサス・インターミディ エート(WTI)は反発。イスラム過激派武装勢力がイラク最大のモス ル・ダムを制圧したことから、被害や混乱の深刻化が懸念された。米政 府がイラク空爆を検討していることも影響した。北海ブレント原油も高 い。

エナジー・アナリティクス・グループのディレクター、トム・フィ ンロン氏(フロリダ州ジュピター在勤)は電話取材に対し、「きょうは イラクから懸念されるニュースが流れた」と指摘。「国際的な供給に敏 感なブレントの方が、WTIより強く反応している」と続けた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物9月限は前日 比42セント(0.43%)高の1バレル=97.34ドルで終了した。

原題:Brent Crude Rises From Nine-Month Low on Iraqi Unrest; WTI Gains(抜粋)

◎欧州株:3カ月半ぶり安値-ECB総裁がウクライナ危機リスク指摘

7日の欧州株式市場では指標のストックス欧州600指数が続落し、 約3カ月半ぶりの安値を付けた。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁 がウクライナなどの地政学的リスクが景気回復を損ねる可能性があると 指摘。ドイツのミュンヘン再保険の利益が予想を下回ったことも嫌気さ れた。

ミュンヘン再保険は2.3%下落。スポーツ用品メーカーの独アディ ダスは4.5%安。2014年通期の利益見通しを引き下げたことが売り材 料。一方、独コメルツ銀行は値上がり。第2四半期の利益が2倍余りに 増えた。スイスの食品メーカー、ネスレは3.4%上昇。上期売上高がア ナリスト予想を上回った同社は、自社株購入計画を明らかにした。

ストックス欧州600指数は前日比0.7%下げて326.96で終了。ウクラ イナ危機の高まりを背景に、同指数は6-7月に2年ぶりとなる2カ月 連続安となった。6月10日に付けた6年ぶり高値からは6.5%下げてい る。

クオニアム・アセット・マネジメント(フランクフルト)で株式取 引に携わるソーレン・シュタイネルト氏は電子メールで、「まだ不透明 感がある」とし、「ミュンヘン再保険など、決算に失望させられた。今 朝のドイツのマクロ経済データも予想を下回った。新しいポジションを 取るのに慎重になっている」と語った。

ドイツ経済技術省の発表によれば、6月の鉱工業生産指数は前月 比0.3%上昇と、ブルームバーグがまとめたエコノミストの予想平均 (1.2%上昇)を下回った。前月は1.7%低下に改定された。

ECBはこの日、主要政策金利を0.15%に据え置いた。ドラギ総裁 は政策発表後の記者会見で、ウクライナなどでの紛争が景気回復を損ね るリスクは増しているとの認識を示した。

7日の西欧市場では18カ国中16カ国で主要株価指数が下落。英 FTSE100指数は0.6%、仏CAC40指数は1.4%それぞれ下げ、独 DAX指数は1%下落した。

原題:Europe Stocks Fall as Munich Re Misses, Draghi Warns on Ukraine(抜粋)

◎欧州債:ドイツ2年債利回りがマイナス圏に-ECBは金利据え置き

7日の欧州債市場でドイツ国債が上昇、2年債利回りは一時、2013 年5月以来のマイナスとなった。10年債利回りも過去最低を更新。欧州 中央銀行(ECB)はこの日、政策金利を過去最低に据え置いた。

今年のドイツ国債は値上がり基調にあり、リターンは株式を上回っ ている。ECBのこれまでの利下げや、デフレ回避のため目的を絞った 長期資金供給を含む刺激策の追加が背景にある。ロシアがウクライナと の国境付近で兵力を増強し、経済データがユーロ圏の景気減速を示した ことから、オーストリアやフィンランドの国債も買われている。

ダンスケ銀行(コペンハーゲン)のチーフアナリスト、アラン・フ ォンメイレン氏は「ECBが政策金利を引き上げるまでには、かなり長 い時間がかかるだろう。しかも利上げシナリオは、低インフレや経済デ ータの弱さ、ウクライナ情勢でさらに先送りされつつある」と指摘。 「投資家はより安全な資産に資金を移しつつある。ウクライナ情勢が悪 化し続ければ、利回りはマイナス圏にとどまる可能性がある」と語っ た。

ロンドン時間午後4時21分現在、ドイツ10年債利回りは前日比3ベ ーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の1.07%。一時はブルー ムバーグがデータを取り始めた1989年以来で最低の1.069%となった。 同国債(表面利率1.5%、2024年5月償還)価格は0.285上げ103.955。

2年債利回りは0.006%でほぼ変わらず。一時はマイナス0.004% と、2013年5月24日以降の最低を付けた。

ECBは主要政策金利を0.15%、下限金利である中銀預金金利はマ イナス0.1%にそれぞれ据え置いた。ドラギ総裁は政策発表後の記者会 見で、ウクライナなどでの紛争が景気回復を損ねるリスクが増している との認識を示した。

原題:German Bond Gain Sends Note Yield Below Zero as ECB Holds Rates(抜粋)

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