米国株:下落、ダウ平均は4月来の安値-ウクライナ情勢懸念

米株式相場は下落。ダウ工業株30種 平均は4月以来の安値となった。予想を上回る企業決算や失業保険申請 件数の減少が好感されたものの、ウクライナ情勢の悪化懸念が重しとな った。

医療保険のエトナなどヘルスケア関連が安い。タイソン・フーズも 下落。ロシアが制裁の報復措置として米国などからの食料輸入を禁止し たことに反応した。21世紀フォックスは上昇。同社の決算では、「X- MEN:フューチャー&パスト」などが寄与し、映画事業の利益が伸び た。

S&P500種株価指数は前日比0.6%安の1909.57。4月以降で初め て、終値ベースで100日移動平均を下回った。ダウ工業株30種平均 は75.07ドル(0.5%)下げて16368.27。

ウェルズ・ファーゴ・ファンズ・マネジメントのチーフ株式ストラ テジスト、ジョン・マンリー氏は「朝方発表された経済指標は明るい内 容だったが、ウクライナ情勢をめぐる不確実性で影が薄れた」と分析。 「株式相場は好調な経済データに順応した動きを見せていたが、地政学 的な緊張が起きると順応は難しい」と続けた。

S&P500種は7月24日に1987.98の過去最高値を付けて以 降、3.9%下落している。あと約60ポイント下げると年初来の上げが全 て消える。同指数は午後に入って1905を約2カ月ぶりに下回った後、下 げを拡大した。

ウクライナ情勢

北大西洋条約機構(NATO)のラスムセン事務総長はこの日ロシ アに対し、ウクライナから手を引くよう求めた。その後、S&P500種 は100日移動平均の1913.72を下回った。

ロシアはウクライナとの国境付近に兵士を集結させており、米国は ロシアがウクライナに侵攻するリスクがあると警告した。

欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は、ウクライナなどでの紛争 が景気回復を損ねるリスクが増しているとの認識を示した。

米国の経済指標を見ると、先週の米週間新規失業保険申請件数は前 週比で減少。4週平均は8年ぶりの低水準となった。

先週発表された7月の米雇用統計では、雇用者数は6カ月連続で20 万人を超える伸びとなった。また4-6月(第2四半期)の実質国内総 生産(GDP、速報値)は前期比年率4%増となった。

ブルームバーグのデータによれば、S&P500種の構成企業ではニ ューズ・コープやCBSなど17社が決算発表を行う。今決算シーズンに 発表を終えた企業では約75%で利益、65%で売上高がそれぞれアナリス ト予想を上回っている。

物色買いの機会

マニング・アンド・ネイピアのストラテジスト、グレッグ・ウッダ ード氏は「地政学的な懸念があると、投資家は常にある程度のリスクプ レミアムをつける」と指摘。「経済のファンダメンタルズが改善し、企 業業績も順調だ。マクロ経済面での懸念からややボラティリティが見ら れる。当社はこの状況を物色買いの機会と捉えている」と続けた。

シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数( VIX)は1.8%上昇の16.66。VIXは先週34%上昇した。

S&P500種の業種別10指数では8指数が下落。特に通信やヘルス ケア、素材が下げた。

エトナは4%安。ゴールドマン・サックス・グループが投資判断を 「買い」から「ニュートラル(中立)」に引き下げた。

タイソン・フーズは2%安。21世紀フォックスは5%高となった。

原題:Dow Falls to Lowest Since April as Ukraine Overshadows Earnings(抜粋)

--取材協力:Joseph Ciolli.

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