商社決算:三菱商など3社が減益、市況下落で-資源分野依存度で明暗

総合商社5社の2014年4-6月期連 結決算が7日、出そろった。石炭や鉄鉱石の価格下落で資源部門が落ち 込んだことが響き三菱商事、三井物産、住友商事の3社の純利益が減益 となった。一方、非資源分野の比率が高い伊藤忠商事と丸紅は増益とな り明暗が分かれた。

同日決算を発表した三菱商事の純利益は前年同期比17%減の1101億 円だった。製鉄用の原料炭価格の低迷で、豪資源関連子会社MDPの損 益が37億円の赤字(前年同期は75億円の黒字)に転落するなど金属分野 が落ち込んだ。液化天然ガス(LNG)事業からの受け取り配当金の計 上が一部ずれ込んだことも響いた。会見した内野州馬常務執行役員最高 財務責任者(CFO)は「原料炭価格の回復に時間を要しており、金属 資源の収益は低調」と振り返った。

三井物産では鉄鉱石、石炭価格の下落で190億円の純利益押し下げ 要因となった。住友商事の高畑恒一常務執行役員は「鉄鉱石、石炭は上 値が重たい状況が続く」と指摘。足元の市況は想定価格を下回っている として「通期では石炭、鉄鉱石合わせて100億円程度の下振れインパク トがある」との見方を示した。

フレイト・インベスター・サービスのデータによると指標となる中 国向けの原料炭のスポット価格は足元で1トン当たり120ドル。スティ ール・インデックスの鉄鉱石の指標価格は同95.9ドル。どちらの価格も 1年前と比べて27%下落している。

一方、伊藤忠の4-6月期の純利益は18%増の808億円と増益。丸 紅は7.8%増の691億円と四半期ベースでの最高益を計上した。石炭など 市況下落の影響で金属部門はともに落ち込んだが、伊藤忠は機械や住生 活・情報部門、丸紅は食料や化学品などの非資源分野の増益で補った。

サプライズない決算

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の永野雅幸シニア・アナリス トは商社全体の4-6月期決算について「サプライズのないニュートラ ルな決算だった」と評価。今後については「落ち込んでいる資源価格の 動向と自社株買いや配当を見据えたキャッシュフローの管理により注目 が集まる」と述べた。

今期(15年3月期)は全5社が増益を見込む。海外での独立系発電 事業者(IPP)事業や穀物取引などの非資源分野での堅調な推移を見 込むほか、新規投資先からの利益貢献も寄与する。

三菱商の内野CFOは「非資源は幅広い分野で収益を上げており、 手堅く稼ぐ底力がついてきた」と総括。「非資源の好調さが金属部門の 弱含みをカバーして全体では期初見通しを達成できる」という。

懸念は資源価格の動向。三井物産の岡田譲治副社長執行役員CFO は「足元の商品市況は中国経済の成長ペースに対する懸念を背景に弱含 みで推移しており、米国の金融政策動向や地政学的リスクの高まりなど 不透明要因もある」と指摘。伊藤忠の関忠行・副社長執行役員CFOも 「資源価格のさらなる下落はリスク要因」とした。

【総合商社5社の決算一覧】
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        4-6月     15年3月期   通期予想に対す
       純利益実績     純利益予想   る進ちょく率
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三菱商事   1101( -17)         4000( 11 )         28%
三井物産   1278(-3.9)        3800( 8.5)      34%
伊藤忠商事   808(  18)         3000( 22 )          27%
住友商事    523( -14)          2500( 12 )          21%
丸紅      691( 7.8)        2200( 4.3)      31%
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(注)単位は億円、カッコ内は前年同期比%、全社国際会計基準。
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