「ドレッシング捨てないで」-英日本食料理店「イツ」の戦略

ジュリアン・メトカーフ氏は我慢で きなかった-。

英国の日本食系ファストフードチェーン「Itsu(イツ)」とサ ンドイッチチェーン「プレタ・マンジェ」の創業者である同氏は、写真 撮影のためロンドンのフィンズバリー・スクエアにあるイツの店舗に足 を踏み入れるや否や、パック入りのサラダとすしをチェックし始めた。 一応、店のスタッフとマネジャーへのあいさつだけは済ませていた。

その表示はなぜそこにあるのか。ここにある箱は何か。メトカーフ 氏の目配りは細かい。写真撮影のためにじっとしてポーズを取るのも難 しいくらいだ。ようやくポーズを取っても、店内に目を走らせ、何が起 こっているかあらゆる状況を把握する。

店の棚には、サーモンとツナのタルタルやココナツチキン巻きなど アジア風軽食が所狭しと並んでいる。絹ごし豆腐やネギスープ、カモ肉 にコメと野菜を添えたタイ料理もある。

「イツで展開しているようなビジネスでは調和を図るのが非常に難 しい。メニューのほか、スタッフの気配りと誇り、運営の調和が取れて いなければならない。そうなれば、音楽のようになる」とメトカーフ氏 は語る。

メトカーフ氏(55)は1986年、友人のシンクレア・ビーチャム氏と 共にプレタ・マンジェを創業。英買収専門会社ブリッジポイントが2008 年にプレタ・マンジェの株式の過半数を取得した。

日本語の「いつ」から名付けられたイツは、ロンドンのチェルシー 地区で1997年にオープンした。

毎月100万人超の集客

イツは、英国でヘルシーなアジア料理を販売するチェーンへと成 長。50店舗目がオープンし、さらに30店舗が開店の予定だ。非上場のイ ツの昨年のEBITDA(利払い・税金・減価償却・償却控除前利益) は600万ポンド(約10億3000万円)で、売上高は約6000万ポンドだっ た。

イツは早ければ16年にもニューヨーク市とカリフォルニア州に進出 することを計画している。イツの現在の集客数は月100万人を超える。

メトカーフ氏に勧められてハーブドレッシングの瓶に指を浸して味 見すると、良い味だった。容器を捨てようとした時、同氏はそれを自宅 に持ち帰ると言った。味を微調整したので試食してみたいのだという。 私が店を立ち去ろうとすると、同氏は再び冷蔵ケースの中身を調べ始め た。

「今は50店舗だが、500店舗に増やせるかもしれいない」とメトカ ーフ氏は語った。(リチャード・バインズ)

(バインズ氏はブルームバーグ・ニュースのチーフフード評論家で す。この記事の内容は同氏自身の見解です)

原題:Hold the Mayo! Itsu Healthy Fast-Food Chain Eyes New York City(抜粋)

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