円が下落、年金運用改革期待の株高で売り-対ドルは102円前半

東京外国為替市場では、午後の取引 で円が下落。国内年金運用機関の資産構成改革をめぐる期待感から日本 株がプラスに転換したことを背景に、円に売り圧力がかかった。

午後3時35分現在のドル・円相場は1ドル=102円27銭付近。円は 朝方に付けた102円04銭から、午後には一時102円46銭まで水準を切り下 げた。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の植野大作チーフ為替ストラ テジストは、このところは欧米とロシアの「経済制裁合戦」のような状 況が株価の「心理的な重し」になっており、ドル・円相場が水準を切り 下げる背景になっていたと指摘。こうした中、「日本の年金改革が進み そうだ」ということで、株価の上昇につながり、前日の海外市場で進ん だ円高を調整する動きが後押しされる格好になったと説明する。

この日の東京株式相場は、TOPIXと日経平均株価が午後の取引 で下落幅を解消する展開となり、6営業日ぶりに反発して取引を終え た。ロイター通信は、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が 日本株への配分を12%から20%超に増やすことを想定し、9月末にかけ て調整を本格化させる見通しにあると報じた。

豪ドル全面安

オーストラリア・ドルは主要16通貨に対して全面安。対円で一時1 豪ドル=94円74銭と、7月18日以来の安値を付けた。対米ドルでは一時 1豪ドル=0.9263ドルと、6月5日以来の水準に下落した。

豪統計局が7日に発表した7月の失業率は6.4%と、前月の6%か ら悪化し、12年ぶりの高水準となった。ブルームバーグ・ニュースがま とめた市場予想では6%(中央値)が見込まれていた。また、同月の雇 用者数は前月比300人減と、前月の14万9000人増(速報値15万9000人 増)から、マイナスに転じた。市場予想は13万2000人増だった。

マネースクウェア・ジャパン市場調査室の山岸永幸シニアアナリス トは、豪雇用統計の悪化を受けて豪ドル売りが後押しされたと言い、 「一人負け」の展開になっていると言う。

ECB会合

この日は欧州中央銀行(ECB)が金融政策決定会合を開く。マネ ースクウェア・ジャパンの山岸氏は、ドラギ総裁の発言が注目だとし、 ハト派的な内容であれば、ユーロ安になる可能性があると指摘。ただ、 ユーロは先行して「ハト派姿勢を織り込んでいる面がある」と言い、ハ ト派色がない場合は、ユーロが買い戻される展開もあり得るとみる。

ユーロ・ドル相場は前日の海外市場で一時1ユーロ=1.3333ドル と、昨年11月8日以来の安値を付け、その後は値を戻し、東京市場で は1.33ドル台後半で推移している。

6日に発表された欧州経済指標は、ドイツの6月の製造業受注が前 月比3.2%低下と、2011年9月以来の大幅低下となったほか、イタリア の4-6月の国内総生産(GDP)が予想に反して前期比で減少。2四 半期連続のマイナス成長となり、リセッション(景気後退)に陥った。

イングランド銀行(BOE)もこの日、金融政策委員会(MPC) を開く。ブルームバーグ・ニュースがまとめた市場予想では政策金利の 据え置きが見込まれている。

上田ハーロー外貨保証金事業部の片桐友仁氏は、BOEについて 「利上げは急がないとの姿勢は崩しておらず、最近の経済データが軟化 していることで、今回も現状政策を維持する見通しになっている」と言 う。

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