ロシアの侵攻リスク「現実」と米、NATOとポーランドに同調

米国は6日、ロシアがウクライナに 侵攻するリスクは「現実」のものだの立場を表明、ウクライナ侵攻の脅 威を警告した北大西洋条約機構(NATO)とポーランドに同調する姿 勢を示した。ロシアのプーチン大統領がウクライナとの国境で兵力を増 強しているとの指摘に対し、ロシアは「根拠がない」と反論した。

ヘーゲル米国防長官は6日ドイツで記者団に対し、ロシアによるウ クライナ侵攻の脅威は「現実」だと語った。同日にはNATOもロシア が人道支援や平和維持活動という「名目」でウクライナに侵攻するリス クがあるとの見解を示した。ポーランドのトゥスク首相も同日、ロシア のウクライナ侵攻リスクがここ数日で高まったと警鐘を鳴らした。

ヘーゲル長官はロシアがウクライナに侵攻するリスクについて、 「もちろん現実だ。こうした軍の増強、部隊や訓練の質の高さ、国境に 配備された大型軍事機器を見れば、もちろんそれは現実であり、それは 起こり得ることだ」と語った。

米国と欧州連合(EU)の対ロシア制裁強化を受けてプーチン大統 領は報復措置を政府に命じ、対立は激化している。同大統領は6日、対 ロシア制裁を発動した国およびその支持国からの「農産物と原材料、食 料の輸入」を禁止もしくは制限するよう政府に指示した。ウクライナ東 部で親ロシア派の掃討を続けるウクライナ政府は5日、勝利は近いと言 明した。

オバマ米大統領は6日、対ロシア制裁は「意図した通りに機能し、 ロシア経済に強い圧力をかけている」と発言。ウクライナ政府に武装勢 力掃討用の兵器を供給することについてはあらためて否定した。

一方、ロシアのインタファクス通信は、兵力増強に関する米国と NATOの発表は「虚報」だとの国防省のコナシェンコフ報道官の発言 を報じた。

「危険な状態」

NATOのルンゲスク報道官は電子メールで、「ロシアが何を考え ているかを推量するつもりはないが、ロシアが地上で何をしているかは 見える。大きな懸念を呼ぶ状況だ」とし、ウクライナ国境付近の「ロシ ア軍の最新の兵力増強は状況を深刻化させ、危機の外交的解決に向けた 取り組みを阻害する。これは危険な状態だ」と指摘した。

NATO加盟国でウクライナと国境を接するポーランドは、ウクラ イナ問題への危機感が強い。シコルスキ外相は5日、ロシアが侵攻する 場合、平和維持活動を装うだろうと述べていた。ロシアは同日、ウクラ イナ東部への人道支援を呼び掛けている。ロシア外務省はウェブサイト で、同地区が「大惨事」に見舞われる瀬戸際にあると訴えた。

これに対しウクライナは、ロシアが紛争終結に協力しないことを批 判。ロシアによる人道支援の提案は「愚弄(ぐろう)」だと国家安全保 障・国防会議の報道官、アンドリー・リシェンコ氏は6日の記者会見で 述べた。

また、ウクライナ大統領府のズブコ第1副首席補佐官は記者団に対 し、ロシアが平和維持部隊を送り込めば「直接の侵攻」とみなすと言明 した。

ロシア軍は国境付近に4万5000人の部隊を展開、戦車160台、戦闘 機192機などを配備しているとウクライナ政府はみている。

--取材協力:Kateryna Choursina、Sangwon Yoon、Henry Meyer、Lu Wang、Tony Capaccio、Inyoung Hwang、Dorota Bartyzel、Piotr Bujnicki、Stepan Kravchenko、Volodymyr Verbyany、David McQuaid、Konrad Krasuski、Milda Seputyte、Paul Abelsky.

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