タカタ:今期240億円赤字へ、大規模リコール-顧客離れ懸念

大規模な自動車リコールにつながっ たエアバッグ製造のタカタは今期(2015年3月期)業績予想を下方修正 し、純損益を従来の黒字から一転、赤字の見通しとした。06年の東証1 部上場以降では最大の赤字になる。市場では長期的な顧客離れを心配す る声も出ている。

7日発表の決算資料で、今期純損益は240億円の赤字見通しとし た。従来予想は160億円の黒字。4-6月決算で純損失が386億円とな り、特別損失に製品保証引当金繰入額447億円を計上したことが響い た。

タカタ製エアバッグをめぐっては、今年6月に助手席用でインフレ ータ内圧が異常上昇して破損、出火したりする不具合があるとしてトヨ タ自動車が全世界で約227万台をリコールしたのをはじめ、日産自動車 やホンダなども相次ぎリコールに踏み切った。

米国では運輸省道路交通安全局(NHTSA)がフロリダ州など湿 度の高い地域でエアバッグに不具合が生じる可能性が高いとして、自動 車メーカーに調査のためのリコール検討を提言していた。

アナリストらは、人命にかかわる重要な安全部品で度重なるリコー ルを出したことで、タカタ製エアバッグがオートリブやTRWなど競合 他社との競争で不利に働き、中長期的に市場シェアを奪われる可能性が あると指摘する。

クレディ・スイス証券の秋田昌洋アナリストは、リコールが「ここ まで大きくなるとカーメーカーからの心証が悪い」と話す。「グローバ ルシェアが20%の会社を簡単に切れるかというと難しいかもしれない」 と前置きした上で、「販売への影響が今後もないと言い切るのは難し い」と述べた。

新モデルで注文を取れるかがポイント

野村証券の新村進太郎クレジットアナリストは電話取材に、「2- 3年後の新モデルのエアバッグの受注が取れるかどうか」がポイントと 指摘。「一番大きいお客さんであるホンダの重要な車種、フィットとか アコードの注文を失ってしまったような場合には影響が出たという判断 になる」と話した。

タカタ経営企画本部IR部バイスプレジデントの佐野仁氏は電話取 材に対し、リコール問題を受けて品質改善は同社にとって最大の課題と なっていると指摘。7月に社内にステファン・ストッカー社長直属の品 質管理改善のための部署を立ち上げ、設計や調達などあらゆる業務の見 直しを進めていると話した。同氏はその上で、「今回の事態を真摯(し んし)に受け止めている。品質管理を徹底して一刻も早く信頼回復に努 めたい」とコメントした。

タカタ製エアバッグでは、昨年もトヨタ、ホンダ、日産の3社が世 界で計300万台規模のリコールを実施していた。タカタは13年3月期に もリコールに伴う特別損失が響き、211億円の純損失を計上している。

タカタの株価は7日終値で前日比0.6%高の2038円。年初来で は32%の下落となっている。

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