米国債:10年債利回り、5月以来の低水準-ウクライナ情勢で

米国債相場は上昇。10年債利回りは 5月以来の低水準を付けた。ウクライナをめぐりロシアと西側諸国の緊 張が高まっているとの懸念から、質への逃避を求める買いが入った。

エネルギー株を中心に米国株が上げると、国債は伸び悩んだ。北大 西洋条約機構(NATO)はロシアがウクライナに侵攻するリスクがあ るとの見解を示した。米財務省が発表した来週の中長期債入札の規模 は670億ドルと、3カ月前の入札より20億ドル少なかった。

三菱UFJ証券USAのシニア米国債トレーダー、トーマス・ロス 氏(ニューヨーク在勤)は「経済ファンダメンタルズと地政学要因の綱 引きになっており、大半の参加者にとって難しい取引だ」と指摘。「ロ シアとウクライナの状況が深刻化するとの懸念がある。一方、景気が回 復しないと考えない限り、利回りは低過ぎる」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは1ベーシスポイント(bp、1bp =0.01%)低下の2.47%。同年債(表面利率2.5%、償還2024年5月) 価格は1/8高の100 1/4。利回りは一時2.43%と、5月29日以来の低水準 を付けた。

5年債利回りは2bp低下の1.65%。一時は7月18日以来の低水準 となる1.62%まで低下した。30年債利回りは1bp低下の3.27%。一時 は6bp低下する場面もあった。

入札規模

財務省によると、12日の3年債入札の規模は270億ドル、13日の10 年債は240億ドル、14日の30年債は160億ドル。3カ月前の入札の規模は 合計690億ドルだった。

財務省はこの日「現在の財政見通しを基にすると、利付き国債の入 札規模は今後もほぼ変わらないだろう。財務省は予想される必要額を注 視しながら、必要に応じて適切に調整していく」との声明を発表した。

米国は6日、ロシアがウクライナに侵攻するリスクは「現実」のも のだと言明。ウクライナ侵攻の脅威を警告した北大西洋条約機構 (NATO)とポーランドに同調した。ロシアのプーチン大統領がウク ライナとの国境で兵力を増強しているとの指摘に対し、ロシアは「根拠 がない」と反論した。

ヘーゲル米国防長官は6日ドイツで記者団に対し、ロシアによるウ クライナ侵攻の脅威は「現実」だと語った。同日にはNATOもロシア が人道支援や平和維持活動という「名目」でウクライナに侵攻するリス クがあるとの見解を示した。

「全てリスク回避」

クレディ・スイスの金利ストラテジスト、アイラ・ジャージー氏は 「全てリスク回避の動きとなっている。質への逃避目的のフローに対抗 するのは難しい」と指摘した。

同氏は5年債の購入を避けるよう提言。利上げ見通しで利回りが上 昇すると考えられることを理由に挙げた。

ドイツ債利回りの低下も材料となった。ドイツ製造業受注指数は前 月比で低下し、イタリアはリセッション(景気後退)入りした。独10年 債利回りは過去最低の1.10%に低下した。

原題:Treasuries Advance Pushes Yield to Lowest in 2 Months on Ukraine(抜粋)

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