トヨタ:映画の都から南部テキサスへ-課題の北米事業てこ入れ

4-6月としては過去最高の純利益 を記録したトヨタ自動車。その原動力となった北米事業を見ると、同社 が現地で抱える課題を垣間見ることができる。それは同社のカリフォル ニアからテキサスへの拠点移転にもつながっている。

トヨタの4-6月の純利益5878億円は、世界販売台数で厳しく競り 合っている独フォルクスワーゲン(VW)を含め、世界のどの自動車メ ーカーよりも大きかった。しかし、地域別の資産規模で前期に最大とな った北米では、営業利益で米フォード・モーターに及ばなかった。ま た、トヨタは本社のある日本で北米の倍以上の営業利益を稼いでいる。

トヨタは57年前に映画の都、ハリウッドの地に最初の販売店を構え て以来、カリフォルニア州を米国の事業拠点としてきた。トヨタは今 年、米国で今や最も事業コストの高い州となった加州を離れ、最も低い 州の一つとされる南部のテキサス州に北米の本社機能を移転させる。

「これは再出発だ」と電話取材に指摘するのは、トヨタ元幹部で、 現在はルノー・日産自動車連合のコンサルタントをしているジム・プレ ス氏だ。「トヨタは違った国で種まきをしている」とし、コスト競争力 や効率性からは当然のことだとみている。

現在の状況はリーマンショック前にトヨタが北米で販売を伸ばして いた時期と状況はまったく逆だ。トヨタなど日本の自動車メーカーはゼ ネラル・モーターズ(GM)やフォードなどのライバルを利益面でも軒 並み上回っていた。

鍵握る北米市場

GMやフォード、クライスラーは当時、競争力のある乗用車をつく ることができず、労働者の高い給与水準からくる固定費にも悩まされて いた。しかし、かつてビッグ3と呼ばれたこうした会社は復活を遂げ、 魅力的な新車を次々と投入している。少子高齢化で日本市場の縮小が見 込まれる中、北米市場で成長を続けることは日本の自動車メーカーにと って重要な課題となる。

トヨタの北米資産は今年3月末時点で13兆7210億円と、日本の13 兆2312億円をすでに上回っている。

アドバンストリサーチジャパンの遠藤功治アナリストは、トヨタは 現状で高級車ブランドのレクサスや利益率の高い大型のSUVなど北米 でよく売れている車種について多くを日本から輸出していると指摘。こ れらの売上高は会計上は国内部門に計上されるものの、本来は北米部門 に寄与されるべき部分だと話した。

トヨタは4月、米国の販売、エンジニアリング、金融の各事業をテ キサス州ダラス近郊に集約する計画を発表した。カリフォルニア州トー ランスにある米販売本社、、ニューヨーク州にある持ち株会社の一部従 業員、ケンタッキー州のエンジニアリングと製造部門から約4000人の従 業員を新たな北米本部に移籍させる。

--取材協力:Alan Ohnsman、萩原ゆき.

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