【今日のチャート】雇用統計後にドル反落のアノマリー、長期買い場に

米雇用統計の発表前後をピークにド ル・円相場が下落する最近のアノマリー(合理的に説明できない規則的 事象)は、長期的にみたドルの買い場を提供するとみずほ証券はみてい る。

今日のチャートは、ドル・円が米雇用統計の発表前後に高値を付 け、その後反落するパターンが3月以降、続いていることを示した。ド ル・円は先月30日に1ドル=103円09銭と4月以来の高値を付けたが、 1日の7月の雇用統計発表後には下落し、7日の東京市場では102円台 前半で推移している。

みずほ証の鈴木健吾チーフFXストラテジストは、米国経済が回復 傾向を続けていることはほぼ確認できている状況だが、イエレン米連邦 準備制度理事会(FRB)議長が2月の就任以降、労働市場の質を重視 し、緩和的な金融政策を継続させる方針を示してきたため、「市場はド ルを買い上げる自信をなかなか持てない」と指摘する。

イエレン議長は先月の議会証言で、労働市場には「著しいスラック (たるみ)」が依然見られ、インフレ率がなお当局の目標を下回ってい るため、金融緩和を推し進める必要があるとの認識を表明。米連邦公開 市場委員会(FOMC)は同月30日の会合で、資産購入額の100億ドル 縮小を決め、10月で同プログラムが終了するペースを維持した。

7月の米雇用統計は、非農業部門雇用者数が6カ月連続で20万人を 超える伸びとなったものの、市場予想の23万人増には届かず、賃金は前 月比横ばいだった。一方、4月や6月の統計では市場予想を上回る雇用 増加や失業率の低下が示されたが、ドル・円は発表後に高値を付け、そ の後下落に転じた。

ブルームバーグ・データによると、2000年以降、ドル・円は8月に 平均1.31%下落。これは12カ月中最大の下落率で、過去14年間で10回 「8月の円高」を記録している。

鈴木氏は、米量的緩和の終了が近づき、市場が来年の利上げを見込 む中、ドル・円もいずれは「アノマリーを抜けてくる」とし、年末の水 準を108円と予想。8月は米国債償還などで季節的にもドル安・円高が 進みやすく、アノマリーを反映してドル安・円高が進む局面があれば、 「長期的にみてドルの買い場になる」としている。

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