ユーロが一段安、ウクライナ懸念や域内指標不振で売り強まる

東京外国為替市場ではユーロが一段 安の展開となり、対ドルでは昨年11月11日以来の安値を更新した。ユー ロ圏の経済指標がさえない中、ウクライナ情勢の悪化による景気への影 響が懸念され、売り圧力が強まった。

ユーロ・ドル相場は一時1ユーロ=1.3349ドルと、昨年11月11日以 来の水準までユーロ安が進み、午後3時47分現在は1.3360ドル付近で推 移。ユーロ・円相場は一時1ユーロ=136円95銭と、5営業日ぶりの安 値を付け、同時刻現在は137円01銭付近で取引されている。

外為オンライン情報サービス室の佐藤正和顧問は、「ユーロ圏は指 標が良くない上に、ウクライナ情勢の悪化は経済に当然影響がある」と 指摘。ウクライナをめぐる不透明感は「長引きそうな感がある」とし て、ユーロの上値が重くなっていると言う。

ドイツ連邦統計局が6日発表した6月の製造業受注は前月比3.2% 減少した。ブルームバーグ・ニュースがまとめた市場予想の中央値 は0.9%増。前年同月比では2.4%減で、予想は1.1%増だった。

一方、同時刻現在のドル・円相場は1ドル=102円55銭付近。朝方 に付けた102円70銭を上値に値幅はわずか18銭にとどまった。

佐藤氏は、「米国の経済指標が良くてドル高の材料が目立っている が、地政学的リスクが出てくると、株がかなり過敏に反応しやすい」と し、円買い圧力につながっていると説明。ただ、ドル・円相場は先週に 年初からの下降トレンドラインをいったん上抜けるなどテクニカル面で はドルの上値を試しやすい形になっていると言い、200日移動平均線が 位置する102円台前半では下値がサポートされるとみている。

ウクライナ情勢

ロシアのプーチン大統領は米国と欧州連合(EU)の制裁への対応 を準備するよう政府に命じた。一方でポーランドは、ロシアがウクライ ナ国境に展開する兵力を増強しており、侵攻の可能性が高まっていると 警告を発した。

5日の米国市場では、株式相場が反落。10年債の利回りは前日比ほ ぼ変わらずの2.48%。一時は2.52%まで上昇していた。この日の東京株 式相場は続落し、日経平均株価の前日終値からの下げ幅は一時200円近 くに達した。

ドル・円相場は前日の海外市場で、米供給管理協会(ISM)非製 造業景気指数の好調を受けて一時は102円93銭と2営業日ぶりの水準ま でドル高が進んだが、その後は102円台半ばまで水準を切り下げた。

ISMが5日に発表した7月の非製造業総合景況指数は58.7と、前 月の56から上昇。2005年12月以来の高水準となり、ブルームバーグ・ニ ュースがまとめた市場予想の中央値56.5を上回った。また、米商務省が 同日発表した6月の製造業受注額は前月比1.1%増加。前月の0.6%減か らプラスに転じ、市場予想の中央値0.6%増を上回る伸びとなった。

三井住友銀行市場営業部ニューヨークトレーディンググループの柳 谷政人グループ長(ニューヨーク在勤)は、米指標の結果を受けて市場 は「ポジティブな反応」になったと言い、米金利上昇に連れてドルも上 昇したと説明。その後はウクライナ情勢に絡む材料が出て、金利が低下 し、「株が下げてびっくりして、ドル・円にも売りが出た」と言う

主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポ ット指数は前日の海外市場で一時1024.01と、2月13日以来の水準まで 上昇した。

7日には欧州中央銀行(ECB)の政策決定会合が控えている。柳 谷氏は、「市場は何も予想していないと思う」と述べ、ユーロは短期的 に売り持ち高が積み上がっている感があるとし、持ち高解消に伴う買い 戻しの可能性があると指摘。ただ、「中長期的にはまだ下げる余地はあ る」とみる。

--取材協力:大塚美佳.

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE