11の金融大手に組織改革命じる、「生前遺言」不十分-米当局

米国で事業展開する大手金融機関 は、経営破綻した際の事業整理の詳しい道筋を示す「生前遺言」で、広 範な金融システムにダメージを及ぼすことなく整理を進めることについ て米規制当局を納得させることができず、経営組織の簡素化と一部慣行 の見直しを命じられた。

米連邦準備制度理事会(FRB)と連邦預金保険公社(FDIC) は5日、JPモルガン・チェースやゴールドマン・サックス・グループ のほか、外国勢も含む計11の大手金融機関に対し、提出された生前遺言 の内容は不十分だとする共同声明を発表した。

生前遺言は毎年の提出が義務付けられており、これら金融機関 は2015年の次回提出期間に先立って、持ち株会社を整理しやすくするよ う「直ちに行動」を取る必要がある。

FDICのホーニグ副総裁は声明で、金融各社の生前遺言では「何 らかの政府支援なしでは適切に破綻に対処する能力がほとんどないこと が示された」と指摘した上で、「経済はほぼ確実に危機に陥るだろう」 との認識を示した。

12年から提出が始まった生前遺言は、金融危機の再発防止に向けた 米金融規制改革法(ドッド・フランク法)の規定に基づき、米規制当局 が整備した新たな規制制度の主要部分。一般市民や市場に対し、金融機 関が「大き過ぎてつぶせない」ことはない点を示す狙いがある。

業界には不満も

FDICは、13年の提出分は「信頼性を欠く」と判断したと説明。 破綻した金融機関の整理に規制当局が一層の時間を確保できるよう、各 機関は15年に先立って法的な構造を簡素化し、デリバティブ(金融派生 商品)を含む金融契約を改めるよう求められる。

対象の金融機関はほかに、バンク・オブ・アメリカ(BOA)、モ ルガン・スタンレー、シティグループ、ドイツ銀行、バークレイズ、ク レディ・スイス・グループ、UBS、ステート・ストリート、バンク・ オブ・ニューヨーク(BNY)メロン。各社はFDICとFRBが修正 を望む具体的な欠陥が列挙された書簡をそれぞれ受け取った。

一部の業界団体は、14年分の提出前に規制当局から十分な指針の提 示がなかったとして不満を表明。フィナンシャル・サービシズ・ラウン ドテーブル(FSR)の広報担当者、アリソン・ホーキンズ氏は電子メ ールで「金融機関には規制当局からの明確でタイムリーな指示が必要 だ」と述べた。

ファイナンシャル・サービシズ・フォーラムのプレジデントを務め るロブ・ニコラス氏も電子メールの発表資料で「業界は生前遺言のプロ セスをめぐり、規制当局からの包括的で実質的な反響を歓迎するだけで なく必要としている」と指摘した。一方、個々の金融機関の代表はコメ ントを控えた。

原題:Big Banks Must Simplify After Living Wills Get Failing Grade (1)(抜粋)

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