8月5日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ドル上昇、製造業や非製造業統計を好感-豪ドル安い

5日のニューヨーク外国為替市場ではドルが対ユーロで上昇し、ほ ぼ9カ月ぶりの高値をつけた。朝方発表された米製造業受注や非製造業 景況指数の統計内容を受けて、米国経済の成長ペースが加速していると 受け止められた。

ロシアのプーチン大統領が米国と欧州連合(EU)の制裁への対応 を準備するよう政府に命じたことを受けて、逃避需要が高まり、円は下 げを埋めた。ブルームバーグ・ドル・スポット指数は約5カ月ぶりの高 水準をつけた。豪ドルは下落。オーストラリア準備銀行(中央銀行)が 政策金利を過去最低水準に据え置いたことに反応した。

ウェルズ・ファーゴの主任為替ストラテジスト、ニック・ベネンブ ローク氏(ニューヨーク在勤)は、「今日の展開はここ最近の全般的な 状況を示す縮図であり、ユーロは守勢に立たされている」と述べ、「こ の日のドルは上昇。力強い米統計に反応した。国債利回りも上昇した」 と続けた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ドルは対ユーロで0.3%上昇して 1ユーロ=1.3376ドル。一時は昨年11月11日以来の高値となる1.3358ド ルを付けた。ドルは対円でほぼ変わらずの1ドル=102円60銭。円は対 ユーロで0.3%上昇して1ユーロ=137円23銭。

ブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.3%上昇して1023.10。一 時は1024.01と、2月13日以来の高水準をつけた。

円は主要16通貨の大半に対して上昇。ロシアがウクライナ国境に展 開する兵力を増強している中で、プーチン大統領はウクライナ東部は 「人道的な惨事」に近づいているとして、早急な国際支援を訴えた。ま たロシアは国連安全保障理事会に緊急会合を要請した。

この日のロシア・ルーブルは9日続落。対ドルで0.6%値下がりし た。

豪ドルが下落

豪中銀は政策金利であるオフィシャル・キャッシュレートの誘導目 標を過去最低水準の2.5%に据え置くと発表。豪中銀のスティーブンス 総裁は「最も賢明なコースは一定期間の金利安定である可能性が高い」 と述べ、従来の声明を繰り返した。

英HSBCホールディングスとマークイット・エコノミクスが5日 発表した7月の中国サービス業購買担当者指数(PMI)は50.0と、6 月の53.1から低下した。これは同指数の集計を開始した2005年11月以来 で最低となる。PMIは50が活動拡大・縮小の分かれ目。この統計発表 後、豪ドルは売られた。

豪ドルは対米ドルで0.3%下落。年初来では4.4%上昇と、主要16通 貨の中で最も上昇率が高い。

米ISM非製造業景況指数

米供給管理協会(ISM)が発表し た7月の非製造業総合景況指 数は活動拡大を示し、2005年12月以来の高水準となった。

7月のISM非製造業総合景況指数は58.7と、前月の56から上昇し た。ブルームバーグがまとめたエコノミストの予想中央値は56.5だっ た。同指数で50は活動の拡大と縮小の境目を示す。項目別に見ると新規 受注は05年8月以来の高水準に上昇した。

米商務省が発表した6月の製造業受注額は前月比1.1%増加した。 ブルームバーグ・ニュースがまとめたエ コノミスト予想の中央値 は0.6%増だった。前月は0.6%減少(速報 値0.5%減)に下方修正され た。

先進10カ国の通貨で構成されるブルームバーグ相関加重通貨指数に よると、ドルは過去1カ月間で1.6%上昇。円は1.1%高、ユーロ は0.2%安となっている。

原題:Dollar Advances on U.S. Factory, Service Gains; Aussie Declines(抜粋)

◎米国株:反落、ウクライナめぐる懸念強まる-エネルギー株が安い

米株式相場は反落し、前日の上昇分を失った。主要株価指数は終値 ベースで5月以来の安値。エネルギー株が大きく下げたほか、ウクライ ナでの緊張悪化をめぐる懸念が売りを誘った。

エネルギー関連ではハリバートンとパイオニア・ナチュラル・リソ ーシズの下げが目立った。ターゲットも安い。暫定決算で利益が自社予 想を下回ったことが嫌気された。米国での売り上げが引き続き低調だっ たほか、カナダ事業も厳しさが続いた。一方でダラー・ゼネラルは上 昇。事情に詳しい複数の関係者は、同社がファミリー・ダラー・ストア ーズへの買収提案を検討していると明らかにした。通常取引終了後に決 算を発表したクーポン共同購入サイト運営のグルーポンは時間外取引で 大きく下落した。

S&P500種株価指数は前日比1%安の1920.21。これは5月29日以 来の安値。前日は0.7%上昇していた。ダウ工業株30種平均はこの 日139.81ドル(0.8%)下げて16429.47ドル。シカゴ・オプション取引 所(CBOE)のボラティリティ指数(VIX)は12%上昇した。

スタイフェル・ニコラウスの株式トレーディング担当マネジングデ ィレクター、ルー・シャダク氏は「市場参加者は神経質になっている」 とし、「ポーランドのシコルスキ外相は、ロシア軍がウクライナに圧力 を掛けるか侵攻する構えだと発言しており、買いを手控えるにはそれだ けで十分だった」と続けた。

ウクライナ情勢

ロシアのプーチン大統領は米国と欧州連合(EU)の制裁への対応 を準備するよう政府に命じた。一方でポーランドは、ロシアがウクライ ナ国境に展開する兵力を増強しており、侵攻の可能性が高まっていると 警告を発した。

S&P500種は午後に下げを拡大。ポーランドのシコルスキ外相 は、ロシアがウクライナ国境に部隊を配備し、即応力を回復させたと指 摘した。

BB&Tウェルス・マネジメントのシニアバイスプレジデント、ウ ォルター・ヘルウィグ氏は「S&P500種の下落には、ロシアがウクラ イナ侵攻の準備を整えつつあるとの憶測が影響したのだろう」と分析し た。

株価上昇局面

金融当局による3回の刺激策も寄与し、S&P500種は09年3月の 強気相場の始まりから184%上昇。11年以来、10%安の調整局面を経験 していない。

米ヘッジファンド運用会社グリーンライト・キャピタルのデービッ ド・アインホーン社長は、5年にわたる株価上昇局面の中で、投資価値 を見いだすことに苦労している。

アインホーン氏は5日、同社の業績に関する電話会議で「今四半期 は新たな投資先を探すのに苦労した」と述べ、「強弱が混在した経済統 計が発表されていることや世界情勢不安、さらに遅ればせながらも連邦 準備制度による量的緩和からの出口が視野に入ってきた中で、相場は上 昇を続けている。当社は引き続き慎重にポジションを取っている」と述 べた。

S&P500種の業種別10指数はこの日すべて下落。エネルギー株 は2.1%、公益株は1.3%それぞれ下げた。

この日は製油所の稼働率が低下するとの見方から原油需要が減少す るとの観測が広がり、ニューヨーク原油先物相場が下落。これを手掛か りにエネルギー株は売られた。

パイオニア・ナチュラル・リソーシズは5.6%安。ハリバートン は3.4%下げた。

ターゲットは4.4%安。ダラー・ゼネラルは3.4%上昇した。

グルーポンはニューヨーク時間午後4時44分時点で17%安となって いる。7-9月(第3四半期)の利益見通しがアナリスト予想に届かな かった。

原題:U.S. Stocks Decline on Ukraine Concern as Energy Shares Retreat(抜粋)

◎米国債:下げを埋める、ロシア大統領の報復措置指示で逃避需要

米国債市場では2年債利回りが約2週間ぶりの水準に低下した。ウ クライナをめぐりロシアと西側諸国の対立が悪化するとの思惑から質へ の逃避買いが入った。

米供給管理協会(ISM)が発表した7月の非製造業総合景況指数 が2005年12月以来の高水準となったため、利上げ時期が予想よりも早く なるとの思惑から米国債相場は下げる場面もあった。ブルームバーグが まとめた調査によると、財務省は2年債と3年債の発行額を縮小すると 予想されている。

GMPセキュリティーズの債券戦略ディレクター、エイドリアン・ ミラー氏は「厳しい国際情勢がある限り、相場は現在の水準からかけ離 れることはないだろう。劇的なニュースは常にファンダメンタルズに勝 り、国債利回りを抑制し株価に圧力を加え続ける」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、2年債利回りは0.46%と、7月18日以来の低水準。一時 は0.48%に上昇した。同年債(表面利率0.5%、償還2016年7月)価格 は100 2/32。

10年債利回りは前日比ほぼ変わらずの2.48%。一時は4ベーシスポ イント(bp、1bp=0.01%)上昇し2.52%を付けた。

ウクライナ情勢

S&P500種株価指数は5月29日以来の安値に下落した。プーチン 大統領は親ロシア派分離主義者がウクライナ政府軍と戦っている同国東 部について、「人道主義の存続の危機」が近づいており、早急な支援が 必要だと発言した。

ウクライナとの国境に大軍を配備しているロシアは、国連安全保障 理事会の緊急会合開催を要求した。米国と欧州連合(EU)が先週、対 ロシア制裁を強化してからも同国はウクライナ問題で譲歩する姿勢を全 く示していない。

JPモルガン・チェースの調査によると、4日までの1週間で投資 家は国債価格が下落するとの見方を弱めた。

米国債投資家心理指数によれば、米国債の売り越し(ネットショー ト)は21ポイントと、前週の29ポイントから縮小した。売り持ち(アウ トライトショート)は36%と、前週の42%から減少。買い持ち(アウト ライトロング)は15%と、前週の13%から増加した。中立は49%(前週 は45%)だった。

経済指標

ISMの7月の非製造業総合景況指数は58.7と、前月の56から上 昇。2005年12月以来の高水準となった。ブルームバーグがまとめたエコ ノミストの予想中央値は56.5だった。同指数で50は活動の拡大と縮小の 境目を示す。

6月の製造業受注額は前月比1.1%増加した。ブルームバーグ・ニ ュースがまとめたエコノミスト予想の中央値は0.6%増だった。

RWプレスプリッチの政府債取引担当マネジングディレクター、ラ リー・ミルスタイン氏(ニューヨーク在勤)は「朝方に発表された指標 は良好だった。このような指標がさらに発表されると、意外に早い利上 げを織り込む動きが強まるだろう」と語った。

フェデラルファンド(FF)金利先物の動向によると、2015年7月 までにFF金利誘導目標が少なくとも0.5%まで引き上げられる確率 は58%。6月末時点では53%だった。

原題:U.S. Two-Year Note Yields Reach Two-Week Low on Ukraine Concern(抜粋)

◎NY金:続落、ドル上昇で代替投資の商品需要が減退

ニューヨーク金先物相場は続落。ドルの上昇を背景に、代替投資と して商品の妙味が薄れた。この日は銀やプラチナ相場も下げた。

TDセキュリティーズ(トロント)の商品戦略責任者、バート・メ レク氏は電話インタビューで「ドルが貴金属を押し下げている」と述べ た。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物12 月限は前日比0.3%安の1オンス=1285.30ドルで終了した。

原題:Silver Falls to Six-Week Low as Dollar Climbs While Gold Drops(抜粋)

◎NY原油:6カ月ぶり安値、製油活動の低下で需要減少観測

ニューヨーク原油先物市場のウェスト・テキサス・インターミディ エート(WTI)は反落。製油所の稼働率が低下するとの見方から、原 油需要が減少するとの観測が広がり、6カ月ぶり安値となった。

コンサルティング会社ショーク・グループ(ペンシルベニア州ヴィ ラノヴァ)のスティーブン・ショーク社長は「製油活動は既に今年のピ ークを過ぎた。減少は続くはずだ」と指摘。「ガソリン需要最盛期であ る夏のドライブシーズンは、もう4週間しか残っていない。価格を支え る材料はあまりない」と続けた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物9月限は前日 比91セント(0.93%)安の1バレル=97.38ドルで終了。終値としては 2月5日以来の安値。

原題:WTI Falls to Six-Month Low on Refinery Outlook; Brent Tumbles(抜粋)

◎欧州株:5日ぶり上昇-クレディ・アグリコルとドイツポストが高い

5日の欧州株式市場では指標のストックス欧州600指数が5営業日 ぶりに上昇。フランスの銀行クレディ・アグリコルや郵便サービスのド イツポストの決算内容を好感した。

クレディ・アグリコルは2.2%上昇。同行の普通株Tier1自己 資本比率が第2四半期末時点で9.9%に上昇した。ドイツポストも2.2% 上げた。四半期利益が5.7%増え、市場予想を上回った。一方、スペイ ンの電話会社テレフォニカは1.7%下落。同社は仏ビベンディ傘下のブ ラジル事業を67億ユーロで買収することを提案した。

ストックス欧州600指数は前日比0.3%高の332.10で終了。一時 は0.8%上げた。先週は2.9%下げ、前日は4月16日以来の安値で引け た。

ノッツ・ストゥッキ(ジュネーブ)で資産運用に携わるピエール・ ムートン氏は「欧州企業の決算はまちまちだ」と発言。ただ、「平均す れば欧州株式相場はかなり割安なので、3-6カ月先を考えて現時点で 少し購入すれば良い投資となり得る」と語った。

ブルームバーグがまとめたデータによれば、ストックス欧州600指 数の株価収益率(PER、予想収益ベース)は15.1倍。これに対し米 S&P500種株価指数のPERは16.2倍となっている。

5日の西欧市場では18カ国中9カ国で主要株価指数が上昇。仏 CAC40指数と独DAX指数はそれぞれ0.4%上げ、英FTSE100指数 は0.1%高となった。

原題:European Stocks Rise as Credit Agricole Beats Earnings Forecasts(抜粋)

◎欧州債:イタリアなど周辺国債下落-独債とのスプレッド縮小終了か

5日の欧州債市場ではイタリアとスペインの10年債が下落。高利回 り債の上昇基調に鈍化の兆しが見られる中、ゴールドマン・サックス・ グループなどは周辺国債のドイツ国債に対する利回り上乗せ幅(スプレ ッド)縮小の動きが終わったとの見方を示した。

イタリア10年債利回りは上昇。先月30日には過去最低の2.626%を 付けていた。ポルトガルとギリシャの国債も値下がり。この日発表され た経済指標で7月のユーロ圏サービス業の活動拡大ペースが下方修正さ れ、脆弱(ぜいじゃく)な景気回復の状況を裏付けた。これで、これま での周辺国債の値上がりは行き過ぎだったとの懸念が強まった。

ゴールドマンのストラテジスト、シルビア・アルダーニャ、フラン チェスコ・ガルザレリ両氏は電子メールで配布したリポートで、「これ 以上のスプレッド縮小はないだろう」と予想。「むしろ、イタリアにつ いて懸念している。過去数カ月にわたり、同国の経済データは予想を下 回る状況が続き、制度と構造の改革が成されていない」と付け加えた。

ロンドン時間午後4時22分現在、イタリア10年債利回りは前日比6 ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の2.76%。同国債(表 面利率3.75%、2024年9月償還)価格は0.55下げ108.86。

スペイン10年債利回りも6bp上げ2.56%と、7月10日以来の大幅 上昇となった。同年限のドイツ国債利回りは4bp上昇し117bp。

イタリア10年債と同年限のドイツ国債のスプレッドは3bp広が り158bp。先週は7月11日終了週以降で初めて拡大していた。ポルト ガルのエスピリト・サント銀行をめぐる問題がユーロ圏全体の信頼感に 影響を及ぼすとの懸念が強まったためだ。同スプレッドは2011年11月 に575bpまで広がり、昨年末は220bpだった。

英マークイット・エコノミクスがこの日発表した7月のユーロ圏サ ービス業購買担当者指数(PMI)改定値は54.2と、前月の52.8から上 昇したものの、先月24日発表の速報値(54.4)から下方修正された。同 指数は50が活動拡大・縮小の分かれ目。

原題:Goldman Calls End to Narrower Yield Spreads in Italy to Portugal(抜粋)

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