エスピリト銀の信用商品、焦る買い手は裏付けの内容を知らず

中央銀行による景気刺激がもたらす 昏睡から目覚めてみると、自分はいったいどんなリスクを負ってしまっ たのかと頭を抱える投資家がいるかもしれない。

ポルトガル政府に救済されたエスピリト・サント銀行(BES)が 昨年販売した信用商品。これを買った投資家がまさにそうだ。

この証券は20億ユーロ(約2750億円)相当の商業ローンを裏付け に、ローンが不良債権化すれば証券の買い手は損失を負担するが、そう でなければ年間10%超のリターンが得られるという商品。ブルームバー グ・ニュースが販促資料を検証した。

BESの経営が急速に揺らいだことで、このルシタノ・シンセティ ックIIという証券の買い手は不安にかられた。裏付けのローンの内容 を知りたいと思った投資家は7月、これについて問い合わせたが、発行 体側は情報開示を拒んだ。7月23日のケイマン諸島証券取引所への通知 から分かった。

こうした信用商品は債券と同様に保有者に金利を支払うが、原資産 のローンで貸し倒れが一定水準を超えると証券の元本が毀損する。銀行 にとっては手元資金を確保しつつ一部リスクを移転する手段になる。

BESの証券1億8400万ユーロは数千本のローンに基づいており、 保有者らは7月4日に融資先がグルポ・エスピリト・サントとその関連 会社かどうかを問い合わせたが、契約に基づき借り手や債務について 「開示の義務もなく、これまでにも開示していない」という回答だった という。

何に投資したのか知る必要があるのに情報を得られないというの は、良いはずがない。

低金利環境が長引くほど、リターンを求めて十分に理解していない リスクに手を出す投資家が増えそうだ。中銀が刺激策を引き揚げるのに 伴い、快くない事実が明るみに出ると覚悟した方がいい。

原題:Banco Espirito Santo Loan Mystery Confronts Derivatives Buyers(抜粋)

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