8月4日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ユーロがほぼ8カ月ぶり安値、ECB政策会合控え

4日のニューヨーク外国為替市場では、ユーロが対ドルで昨年11月 以来の安値付近で取引された。欧州中央銀行(ECB)の政策会合を今 週に控え、ユーロの下落を見込んだ投資家のポジションがここ2年で最 大規模に積み上がっている。

英ポンドは対ユーロで反発した。エコノミストの予想では今週発表 される統計では英国経済の拡大が示される。ECBについて、米パシフ ィック・インベストメント・マネジメントの前最高経営責任者 (CEO)のモハメド・エラリアン氏はブルームバーグ・ビューのコラ ムで、ドラギ総裁は秋にはさらに緩和策を進め、ユーロが対ドルで1.30 ドルを割り込む可能性があると指摘した。

みずほ銀行のストラテジスト、シレーン・ハラーリ氏(ニューヨー ク在勤)は、「ドラギECB総裁の今週の発言はよりハト派になる可能 性が高いだろう。特に欧州ではインフレ統計の内容が引き続き軟調にな っている」と述べ、「投機家は先週、ユーロのショートポジションを積 み増した。これもユーロの下押し圧力となっている」と続けた。

ニューヨーク時間午後5時、ユーロは対ドルで1ユーロ=1.3422ド ルに下落。7月30日には2013年11月12日以来の安値となる1.3367ドルを つけた。ユーロはこの日、対円で0.1%下げて1ユーロ=137円66銭。ド ルは対円で0.1%未満下げて1ドル=102円57銭。

ブルームバーグ・ドル・スポット指数は1020.17で前週とほぼ変わ らず。8月1日には1023.42と、3月20日以来の最高となった。

英ポンドが上昇

ポンドは対ユーロで0.3%上昇、対ドルでも0.3%値上がりした。マ ークイット・エコノミクスによると、建設部門購買担当者指数 (PMI)は7月に62.4と、ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコ ノミスト予想中央値の62を上回った。

先進10カ国の通貨で構成されるブルームバーグ相関加重通貨指数に よると、ポンドは過去1年間で10%上昇した。ユーロは0.6%高、円 は5.4%下落した。ドルは0.8%下げた。

5日発表される米供給管理協会(ISM)の非製造業景況指数は7 月に56.5と、前月の56から上昇が見込まれている。同指数で50は活動の 拡大と縮小の境目を示す。

ユーロの下落

ユーロは過去3カ月間で3.2%下落。ECBはインフレ誘発のため に利下げを行ったが、7月のユーロ圏のインフレ率は約5年ぶりの低水 準だった。

欧州連合(EU)統計局(ユーロス タット)が7月31日発表した 7月のユーロ圏消費者物価指数(CPI)速報値は前年同月比0.4%上 昇となった。インフレ率は6月の0.5%から低下し、2009年10月以来の 最低となった。

商品先物取引委員会(CFTC)によると、ヘッジファンドなど大 口投機家の対ドルでのユーロ下落を見込んだポジションは2012年8月以 来の最大となった。ネットショート(売り越し)は7月29日時点で10 万8075枚。前週は8万8823枚だった。

原題:Euro Trades at Almost Eight-Month Low Before ECB; Rupee Gains(抜粋)

◎米国株:上昇、ポルトガルの銀行救済やバークシャーの決算を好感

米株式相場は上昇。ポルトガルがエスピリト・サント銀行の救済を 明らかにしたほか、バークシャー・ハサウェイの決算で利益が市場予想 を上回ったことが好感された。S&P500種株価指数は先週、週間ベー スではここ2年で最大の下げとなっていた。

ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャーでは、自動車保険部 門ガイコや鉄道会社BNSF、エネルギー部門で利益が改善した。アナ ダルコ・ペトロリアムやノーブル・エナジーなどエネルギー株も高い。 一方で高級衣料品小売りのマイケル・コース・ホールディングスはS& P500種で値下がり率トップ。利幅縮小の見通しが嫌気された。

S&P500種株価指数は前週末比0.7%高の1938.99。ダウ工業株30 種平均は75.91ドル(0.5%)上げて16569.28ドル

スタイフェル・ニコラウスの運用担当者、チャド・モーガンランダ ー氏は「地政学的リスクへの懸念が一時的に和らいでいる」と分析。 「企業決算は予想を上回っており、経済は全般的に前進しつつある。向 こう数カ月は上向きのバイアスが続くだろう」と述べた。

エスピリト・サント、アルゼンチン

S&P500種は先週、週間で2.7%安と2012年6月以降で最大の下げ となった。アルゼンチンの利払い不履行やエスピリト・サント銀行が増 資を命じられたことなどが嫌気された。

ポルトガル中央銀行がエスピリト・サント銀行の経営権を取得した ことを手掛かりに株式相場はこの日上昇した。ポルトガル中銀によれ ば、救済規模は49億ユーロ。

先週はエスピリト・サント銀をめぐる混乱やアルゼンチン問題を受 けて世界の株式市場では時価総額にして約1兆2000億ドルが失われた。

S&P500種は年初来で4.9%高。2011年以来、10%安の調整局面を 経験していない。株価収益率(PER、実績ベース)は17.6倍と、2010 年以来の高水準近くにある。

シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数 (VIX)は先週34%上昇と、1月以来の大幅な上げとなった。この日 は11%下げて15.12。

決算見通し

今週はウォルト・ディズニーやタイム・ワーナーなど72社程度が決 算を発表する。ブルームバーグのデータによれば、今決算シーズンに発 表を終えた企業では、76%で利益が、65%で売上高がそれぞれ市場予想 を上回った。

この日はS&P500種の業種別10指数のうち9指数が上昇。エネル ギー株の指数は1.6%高と最も上げた。選択的消費株は1%上昇。

バークシャーのクラスB株は3.1%高の129.72ドルと、上場来高値 となった。

アナダルコは4.8%高の110.73ドル。ノーブル・エナジーは5.2%高 の70.23ドルと、上昇率はS&P500種で最大。

マイケル・コースは5.9%安の77.01ドルだった。

原題:U.S. Stocks Rise After Selloff Amid Earnings, Portugal Bailout(抜粋)

◎米国債:5-30年債の利回り差が拡大、利上げ観測がやや弱まる

米国債市場では5年債と30年債の利回り差がここ2週間で最大に拡 大した。利上げ観測がやや弱まったことが背景にある。

同利回り差は先週、週間ベースで1カ月ぶりに拡大した。雇用の伸 びが予想を下回り、利回りは短期債を中心に低下した。フェデラルファ ンド(FF)金利先物の動向によると、来年6月までに利上げが実施さ れる確率は45%。1カ月前は49%だった。

大和証券キャピタル・マーケッツ・アメリカの債券部門責任者、レ イ・レミー氏(ニューヨーク在勤)は「経済指標がもっと発表されるま で、現在の水準近辺で狭いレンジにとどまるだろう」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、5年債利回りは前営業日比2ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01%)低下の1.65%。同年債(表面利率1.625%、2019年7 月償還)価格は2/32上げて99 29/32。10年債利回りは1bp低下 の2.48%、30年債利回りはほぼ変わらずの3.29%。

5年債と30年債の利回り差は164bpと、7月18日以降で最大に拡 大した。今年に入ってからは大幅な縮小傾向にあり、7月30日には149 bpと、09年1月以降で最小となった。来年の利上げ観測で短期債の魅 力が弱まる一方、経済成長が一様でないため長期債の需要が根強いこと が背景にある。

「フラット化弱まる」

モルガン・スタンレーは先週発表の雇用統計と国内総生産 (GDP)統計を受けた1日付のリポートで、「6月18日以降のイール ドカーブのフラット化傾向が弱まっている」と指摘した。

パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)の ビル・グロース氏は、当局が国債購入を縮小させていることからイール ドカーブはスティープ化しているとツイッターに投稿した。

同氏は量的緩和(QE)の対象はすべて償還期限が5年以上で、最 大の購入者は消えつつあると指摘した。

金融当局は7月30日に債券購入額を6回連続で100億ドル縮小し、 月250億ドルに設定した。昨年は850億ドルだった。このペースで縮小さ せると、10月までに購入プログラムは終了する。

借入必要額

米財務省は7-9月期の借り入れ計画を1920億ドルとし、3カ月前 の見通しから約220億ドル引き上げた。9月末時点の現金残高見通し は1500億ドル。10-12月期の借り入れ計画は1870億ドルで、12月31日時 点の現金残高見通しは1400億ドル。

グロース氏が運用する旗艦ファンド「トータル・リターン・ファン ド」は7月に差し引きで8億3000万ドル(約850億円)の資金が引き揚 げられた。現在の資産運用額は2230億ドル。

原題:U.S. Yield Curve Steepens as Bets Decline on Quicker Rate Boosts(抜粋)

◎NY金:反落、株式相場の上昇が重し-過去5日で4日目の下げ

ニューヨーク金先物相場は反落。米国株の上昇を背景に、代替投資 の金買いが減退した。過去5営業日では4日目の下げとなった。

フューチャーパス・トレーディングのトレーダー、フランク・レシ ュ氏(シカゴ在勤)は電話インタビューで、「株式相場の強さが金を圧 迫している」と指摘。「ペースは緩やかながらも米経済が強さを示して いるのは明白だ」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物12 月限は前週末比0.5%安の1オンス=1288.90ドルで終了した。

原題:Gold Falls for Fourth Time in Five Sessions as Equities Rebound(抜粋)

◎NY原油:反発、イラク緊張で6カ月ぶり安値から値を戻す

ニューヨーク原油先物市場のウェスト・テキサス・インターミディ エート(WTI)は反発。イラクで国際テロ組織アルカイダ系の武装集 団が油田2カ所とクルド人住民が多数を占める町を複数制圧したことを 受け、6カ月ぶり安値から戻した。また先週の4.1%下落は行き過ぎと の見方も買いを誘った。

オイル・アウトルックス・アンド・オピニオンズ(ヒューストン) のカール・ラリー社長は「先週はすでに十分下げた」と指摘。「原油が これ以上下げる理由は見当たらない。株式相場が安定し、上昇基調にあ る限り、投資家の目は商品に向かう。ブレント原油は中東不安で上昇し ている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物9月限は前週 末比41セント(0.42%)高の1バレル=98.29ドルで終了。

原題:WTI Crude Rebounds From Six-Month Low on Middle East Tension(抜粋)

◎欧州株:4日続落-ネスレとノバルティスなどスイス株が安い

4日の欧州株式市場では指標のストックス欧州600指数が4営業日 続落した。ネスレやノバルティスなどスイス株の下げが目立った。ポル トガル中央銀行が同国のエスピリト・サント銀行(BES)を救済した ことで域内の金融不安は和らいだものの、相場上昇にはつながらなかっ た。

食品メーカーのネスレと医薬品メーカーのノバルティスはいずれ も、下落率が1%を上回った。オーストリアの不動産会社イモフィナン ツは2.7%安。通期利益が予想に届かなかったことが売り材料。一方、 ポルトガル商業銀行(BCP)は6.1%の大幅高。英銀HSBCホール ディングスも買われた。上期の不良債権引当金の減少が好感された。

ストックス欧州600指数は前週末比0.2%安の331.15で終了。これは 4月16日以来の安値。この日は0.3%上げた後、0.4%下落する場面もあ った。

ポルトガル銀行(中央銀行)は49億ユーロ(約6750億円)規模のエ スピリト・サント銀救済で、資産の大半と預金受け入れ事業を接収し、 新会社のノボ・バンコに移管する。

4日の西欧市場では17カ国中9カ国で主要株価指数が下落。アイス ランド市場は祝日のため休場だった。仏CAC40指数は0.3%上昇した 一方、独DAX指数は0.6%下げた。スイスのSMI指数は1.3%安と、 4月以降で最もきつい下げとなった。

原題:European Stocks Fall for Fourth Day as Nestle, Novartis Retreat(抜粋)

◎欧州債:ポルトガルなど周辺国債上昇-エスピリト・サント銀救済で

4日の欧州債市場ではポルトガルを中心に周辺国債が上昇。ポルト ガル銀行(中央銀行)が同国のエスピリト・サント銀行(BES)を接 収したことで、同行をめぐる問題が拡大するとの懸念が後退した。

ポルトガル2年債利回りは終値ベースの過去最低を付けた。同国中 銀が発表した49億ユーロ(約6750億円)規模のBES救済では、劣後債 保有者が損失を負担する。スペインとイタリアの国債も買われ、そのパ フォーマンスはドイツ国債を上回った。金融業界の問題は域内各国政府 によって封じ込められるとの信頼感が高まり、高利回り債の需要が増え た。

BNPパリバ(パリ)の債券ストラテジスト、パトリック・ジャッ ク氏は、BESをめぐる「週末の決定でポルトガル国債には回復の余地 がやや与えられ、その他全ての周辺国債も値を幾分戻した」と発言。 「民間部門で問題が発生しても政府に大きな影響が及ばない証拠になっ ている。これが政府債の支援材料となっている」と付け加えた。

ロンドン時間午後4時12分現在、ポルトガル10年債利回りは前週末 比8ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の3.62%。同国債 (表面利率5.65%、2024年2月償還)価格は0.705上げ116.09。2年債 利回りは7bp下げ0.66%と、ブルームバーグが1996年にデータ集計を 開始して以降の最低を付けた。

スペイン10年債利回りは6bp下げ2.50%、同年限のイタリア国債 利回りも6bp低下し2.70%。ドイツ10年債利回りはほぼ変わらず の1.13%。先月29日には1.109%と、これまでの最低を付けていた。

原題:Portugal’s Bonds Lead Gains as BES Bailout Seen as Isolated Case(抜粋)

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