米国債:5-30年債の利回り差が拡大、利上げ観測が弱まる

米国債市場では5年債と30年債の利 回り差がここ2週間で最大に拡大した。利上げ観測がやや弱まったこと が背景にある。

同利回り差は先週、週間ベースで1カ月ぶりに拡大した。雇用の伸 びが予想を下回り、利回りは短期債を中心に低下した。フェデラルファ ンド(FF)金利先物の動向によると、来年6月までに利上げが実施さ れる確率は45%。1カ月前は49%だった。

大和証券キャピタル・マーケッツ・アメリカの債券部門責任者、レ イ・レミー氏(ニューヨーク在勤)は「経済指標がもっと発表されるま で、現在の水準近辺で狭いレンジにとどまるだろう」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、5年債利回りは前営業日比2ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01%)低下の1.65%。同年債(表面利率1.625%、2019年7 月償還)価格は2/32上げて99 29/32。10年債利回りは1bp低下 の2.48%、30年債利回りはほぼ変わらずの3.29%。

5年債と30年債の利回り差は164bpと、7月18日以降で最大に拡 大した。今年に入ってからは大幅な縮小傾向にあり、7月30日には149 bpと、09年1月以降で最小となった。来年の利上げ観測で短期債の魅 力が弱まる一方、経済成長が一様でないため長期債の需要が根強いこと が背景にある。

「フラット化弱まる」

モルガン・スタンレーは先週発表の雇用統計と国内総生産 (GDP)統計を受けた1日付のリポートで、「6月18日以降のイール ドカーブのフラット化傾向が弱まっている」と指摘した。

パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)の ビル・グロース氏は、当局が国債購入を縮小させていることからイール ドカーブはスティープ化しているとツイッターに投稿した。

同氏は量的緩和(QE)の対象はすべて償還期限が5年以上で、最 大の購入者は消えつつあると指摘した。

金融当局は7月30日に債券購入額を6回連続で100億ドル縮小し、 月250億ドルに設定した。昨年は850億ドルだった。このペースで縮小さ せると、10月までに購入プログラムは終了する。

借入必要額

米財務省は7-9月期の借り入れ計画を1920億ドルとし、3カ月前 の見通しから約220億ドル引き上げた。9月末時点の現金残高見通し は1500億ドル。10-12月期の借り入れ計画は1870億ドルで、12月31日時 点の現金残高見通しは1400億ドル。

グロース氏が運用する旗艦ファンド「トータル・リターン・ファン ド」は7月に差し引きで8億3000万ドル(約850億円)の資金が引き揚 げられた。現在の資産運用額は2230億ドル。

原題:U.S. Yield Curve Steepens as Bets Decline on Quicker Rate Boosts(抜粋)

--取材協力:Eshe Nelson.

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