【コラム】ダース・ベイダーは環境の暗黒卿かユネスコ調査

SF映画「スター・ウォーズ」の新 作に国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)の調査が入っているとのニ ュースで、英国とアイルランドのメディアはもちきりだ。アイルランド 沖に浮かぶ孤島「スケリッグ・マイケル」で数日間にわたって行われた 撮影が、急峻な岩山からなる環境にダメージを与えたかどうか、ユネス コは報告書の提出を求めている。

デーリー・メール紙は「スター・ウォーズとユネスコの抗争」と報 道。アイルランドのインディペンデント紙は「スター・ウォーズ・ウォ ー」との見出しで紙面を飾った。

スケリッグ・マイケルには6世紀に建てられた修道院があり、島 は1996年にユネスコの世界遺産に登録された。しかし問題になっている のは修道院の遺跡ではなく、そこに生息する野生生物だ。撮影中はアイ ルランド海軍が島を警備していたため、環境保護活動家らは上陸させて もらえなかったと不満を述べている

BBCは「スター・ウォーズの撮影で野生生物にどのような影響が 起きたか、憶測に頼ることはできない」とのユネスコ広報担当者の発言 を報じた。アイルランド政府はこうした批判に対し、撮影は徹底した科 学的調査を踏まえた上で許可したと主張、野生生物に打撃が及ばないよ う「専門家」が撮影に立ち会ったと説明した。ユネスコはアイルランド 政府に書面での報告を求めた。

官僚主義が嫌いで映画が好きな私でも、繊細な生態系のバランスが 撮影によって崩されて良いとは思わない。ユネスコには近く報告書が上 げられ、野生生物は無傷だということが示されるはずだと期待してい る。

しかしながらスケリッグ・マイケルにも官僚主義の悪が付きまと う。撮影の間、観光客の島への立ち入りが禁じられたため、通常は本土 との行き来で生活費を稼ぐ渡し舟の業者らは食い上げとなった。

そこで撮影隊は代わりに、撮影機材を運ぶためにこうした業者を雇 って穴埋めした。今度はライセンス無しに貨物輸送を営業したとして、 渡し舟業者らはアイルランド政府から調査を受けている。

お役所のせいで稼業を取り上げられ、それを何とか挽回しようとす れば別のお役所が邪魔をする。だから政府というのは市民の生活からは 「はるか銀河のかなた」にあると考えられるわけだ。

(スティーブン・L・カーター氏はエール大学法学部の教授で、ブ ルームバーグ・ニュースのコラムニストです。このコラムの内容は同氏 自身の見解です)

原題:Darth Vader Becomes an Environmental Menace: Stephen L. Carter(抜粋)

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