米国株(1日):続落、アルゼンチンやポルトガルの危機が重し

米株式相場は続落。S&P500種株 価指数は週間ベースで2年ぶりの大幅安となった。アルゼンチンやポル トガルをめぐる懸念が重しとなった。雇用統計は金融当局に低金利継続 の余地がある可能性を示唆した。

JPモルガン・チェースやモルガン・スタンレーが下落。アルゼン チンが国債の利払いを行わなかったことについて、国債スワップデリバ ティブ協会(ISDA)が信用事由に当たると判定したことが背景。

一方、リンクトインは上昇。同社が示した売り上げ高見通しはアナ リスト予想を上回った。プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)も 高い。コスト削減が寄与し利益が予想を上回った。

S&P500種株価指数は前日比0.3%下げて1925.15で終了。週間で は2.7%下げて、2012年6月以来の大幅安となった。ダウ工業株30種平 均はこの日69.93ドル(0.4%)下落の16493.37ドル。

バール・アンド・ゲイナー(オハイオ州シンシナティ)のポートフ ォリオマネジャー、マット・マコーミック氏は電話インタビューで、 「ポルトガルの銀行だろうが、アルゼンチン、あるいは長引く中東情勢 不安だろうが、これらが投資家には重要な問題となっているようだ」と 指摘。「数週間前は材料視されていなかった地政学的問題が突然、より 相応な懸念となり始めており、それが売りのきっかけとなっている。投 資はリスク回避を強めている」と述べた。

ポルトガルやアルゼンチン

ポルトガルのエスピリト・サント銀行の株式はこの日、リスボン市 場で一時50%下落した後、売買停止となった。

アルゼンチンの国債利払い不履行について、ISDAは信用事由に 当たると判定。これにより10億ドル(約1025億円)相当のクレジット・ デフォルト・スワップ(CDS)の決済が引き起こされる。CDSの決 済を引き起こしたのは、ソブリン債としては2012年のギリシャ債再編以 来となる。

株価は一時もみ合いとなる場面もあった。米労働省が発表した7月 の雇用統計によると、非農業部門雇用者数 (事業所調査、季節調整済 み)は前月比20万9000人増加した。ブルームバーグ・ニュースがまとめ たエコノミスト予想の中央値は23万人増だった。前月は29万8000人増 (速報28万8000人増)に上方修正された。

家計調査に基づく7月の失業率は6.2%と、前月の6.1%から上昇し た。平均時給と平均労働時間はいずれも前月比横ばいだった。

米パシフィック・インベストメン ト・マネジメント (PIMCO)のビル・グロース氏は米国の賃金が7月に前月比変わら ずとなったことを受けて、金融当局は緩和的な政策を継続するとの見方 を示した。

賃金

グロース氏はブルームバーグラジオとのインタビューで、賃金は 「上がっていない」とし、「米国のメーンストリート(一般社会)の賃 金はイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長の最大懸案だ」と述 べた。

S&P500種の業種別10指数中7指数が下落。通信や金融株の下げ が目立った。生活必需品株は上昇した。

P&Gは3%高と、ダウ30種平均銘柄で値上がり率トップ。4-6 月(第4四半期)利益は市場予想を上回った。コスト削減とかみそり値 上げが寄与した。

リンクトインは12%高。7-9月(第 3四半期)売上高見通しは アナリストの予想を上回った。成長の勢いを取り戻すため、同社は新た な商品を投入し事業を拡大している。

原題:S&P 500 Caps Worst Week Since 2012 as Crises Overshadow Data(抜粋)

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