米国債(1日):上昇、雇用の伸び悩みで緩和縮小観測が後退

1日の米国債は上昇。5年債を中心 に買われた。7月の雇用の伸びが市場予想を下回ったため、金融当局が 刺激策の縮小を加速させるとの見方が後退した。

政策金利の変動により敏感な5年債利回りは、4月以来の大幅な下 げとなった。米労働省が発表した7月の雇用統計によると、非農業部門 雇用者数は前月比20万9000人増加した。先物動向によれば、来年6月ま でに政策金利を少なくとも0.5%に引き上げる確率は44%。1カ月前 は54%だった。

ドイツ銀行プライベート・ウェルス・マネジメントの債券トレーデ ィング責任者、ゲーリー・ポラック氏(ニューヨーク在勤)は、雇用統 計について、「当局に早期利上げを迫るほど十分な内容ではない」と述 べ、「平均時給は変わらずだった。つまり労働市場にはおおくのスラッ ク(たるみ)があることを示している」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、5年債利回りは前日比9ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)低下の1.66%。同年債(表面利率1.625%、2019年7月償 還)価格は14/32上げて99 26/32。

10年債利回りは7bp下げて2.49%。利回りは前日に2.61%と、7 月8日以来の高水準をつけた。30年債利回りは4bp下げて3.28%。

5年債と30年債の利回り格差は161.6bpに拡大。償還期限の短い 国債を中心に利回りが低下したことが背景にある。7月30日には149b pと、2009年1月以来の最小となった。

アルゼンチンの債務利払い問題

ポルトガルのエスピリト・サント銀行の株取引が停止されたほか、 アルゼンチンが国債の利払いを行わなかったことについて国債スワップ デリバティブ協会(ISDA)が信用事由に当たると判定したことを受 けて、国債は上げ幅を拡大した。

信用事由の判定により10億ドル相当のクレジット・デフォルト・ス ワップ(CDS)の決済が引き起こされる。CDSの決済を引き起こし たのは、ソブリン債としては2012年のギリシャ債再編以来となる。

米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO) のビル・グロース氏は、米国の賃金が7月に前月比変わらずとなったこ とを受けて、金融当局は緩和的な政策を継続するとの見方を示した。グ ロース氏はブルームバーグラジオとのインタビューで、米国や他の主要 中央銀行は「長期にわたり低金利を維持しなくてはならない」と述べ た。

米雇用統計

ブルームバーグ・ニュースがまとめた7月の雇用統計のエコノミス ト予想中央値は23万人増だった。前月は29万8000人増(速報28万8000人 増)に上方修正された。平均時給は前月比変わらずの24.45ドルとなっ た。

米商務省が発表した6月の米個人消費支出(PCE)総合価格指数 は前年比1.6%上昇。5月は1.7%の上昇だった。

ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想では10年債利回りは年 末までに3.11%に上昇する。

原題:Treasuries Gain After Growth in U.S. Employment Trails Forecast(抜粋)

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