エスピリト・サント金融帝国、瞬く間に崩壊-ポルトガルに衝撃

エスピリト・サント一族が1世紀以 上前に創業し育て上げたポルトガルの金融帝国のあっという間の没落 に、ポルトガル人もびっくりしている。

グループ内3社は先月、債権者からの資産保全を数日の間に相次い で申請。一族の長老リカルド・エスピリト・サント・シルバ・サルガド 氏(70)はエスピリト・サント銀行の最高経営責任者(CEO)を辞任 後、脱税とマネーロンダリング(資金洗浄)の疑いで捜査を受けてい る。極めて厳重にプライバシーを守ってきた富豪一族も秘密のベールを 保つのは難しくなった。

サルガド氏の曽祖父が創業した同行は1カ月の間に株価が67%下落 し、時価総額にして22億5000万ユーロ(約3100億円)が失われた。

サルガド氏をはじめエスピリト・サント一族の多くが住むリスボン 近郊の海辺の町、カスカイスの住民、ホセ・カペラ氏は「こんなひどい 事態になるとは夢にも思わなかった」と話す。「エスピリト・サント金 融帝国の崩壊を見るのはとても悲しい」と語った。

一族のメンバーは少なくとも10年ぶりに、ポルトガルの富豪番付25 位以内から姿を消した。ビジネス誌エグザメが7月31日に報じた。現在 の危機を切り抜けるため、エスピリト・サントはこれまでの事業拡大で 迷路のように絡み合った企業グループのリストラに着手している。一族 が数十年をかけて築き上げた同グループは、パラグアイの大豆農場から ポルトガルのホテルチェーン、ブラジルの不動産まで、さまざまな事業 を手掛けている。

この難局は一時的なもので、一族はこれを乗り越えることができる と、ファミリーメンバーの1人が匿名を条件に述べた。しかし取りあえ ず今は、資産売却で乗り切るしかない。一族がスイスに保有しているプ ライベートバンク、バンク・プリベ・エスピリト・サントは事業の一部 をスイスの同業に売却することで合意した。グループ内の持ち株会社、 リオフォルテ・インベストメンツが持つチボリ・ホテルズ・アンド・リ ゾーツにはプライベートエクイティ(PE、未公開株)投資ファンドが 関心を示している。

リスボンのカフェで新聞を読んでいた80歳の年金生活者、アントニ オ・シルバ氏は「リカルド・サルガド氏にはあらゆる物のオーナーとい うニックネームがついていた。しかし、ふたを開けてみると、盤石に見 えたエスピリト・サント・グループは砂上の楼閣だった」と話した。

原題:Espirito Santo Family’s Swift Fall From Grace Shocks Portugal(抜粋)

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