CDS業界の複雑な構造が浮き彫りに-アルゼンチン債務問題

金融危機でクレジット・デフォル ト・スワップ(CDS)の複雑に絡み合った世界が注目を集める度に陰 謀説が浮上してきた。今回のアルゼンチン債務問題も例外ではない。

アルゼンチンのキシロフ経済財務相は7月30日の債務協議決裂後、 ホールドアウト(債務再編を受け入れなかった債権者)側を「ハゲタカ ファンド」と呼んだ。さらにCDSをやり玉に挙げ、「存在する最も卑 劣な投機的資本主義」へと導く一方で、債権者の動機を覆い隠す市場だ と非難した。

ホールドアウトの1社、ヘッジファンドのエリオット・マネジメン トは、実はCDSの決済を行うかどうかを決定する判定委員会のメンバ ーでもある。

しかし資産家ポール・シンガー氏が率いる248億ドル(約2兆5500 億円)規模のエリオット・マネジメントは昨年、アルゼンチン政府が支 払いを停止した場合に利益を得るようなCDSを保有していないと米裁 判所で明らかにしている。エリオットの広報担当、スティーブン・スプ リエル氏は7月31日、コメントを控えた。

シティグループとJPモルガン・チェースも国際スワップデリバテ ィブ協会(ISDA)の判定委員会のメンバー。同委は15のディーラー と投資家で構成される。アルゼンチン紙アンビトの報道と銀行関係者に よれば、シティとJPモルガンはエリオットなどの債権者が保有す る2001年にデフォルト(債務不履行)となったアルゼンチン債の買い取 りで交渉中。

この買い取りが合意に達すれば、アルゼンチンの利払い再開が可能 になる。同国はエリオットやアウレリアス・キャピタル・マネジメント などとの債務協議が不調に終わった後、5億3900万ドルの利払い期限を 守れなかった。

ISDAはニューヨーク時間8月1日午前11時(日本時間2日午前 0時)から判定委員会を開催、アルゼンチン国債のCDS決済につなが る支払い不履行の信用事由が発生したかどうかを判断する。

原題:Argentina Debt Dilemma Spotlights Knotted World of Default Swaps(抜粋)

--取材協力:Daniel Cancel、Sridhar Natarajan.

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