アルゼンチン、銀行団とファンドの交渉による解決に反対せず

アルゼンチンの債務支払い再開を可 能にする合意を米JPモルガン・チェースなどの銀行が目指しているこ とについて、同国政府は反対しないと表明した。格付け会社スタンダー ド・アンド・プアーズ(S&P)が一部債務不履行を意味する「選択的 デフォルト(SD)」に格下げしたのを受け、同国のドル建て債は下落 した。

アルゼンチンのキシロフ経済財務相は、債務返済をめぐるヘッジフ ァンドのグループとの対立を第3者を通じて解決することに政府は反対 しないと説明した。米連邦裁判所の判事はアルゼンチンがヘッジファン ド会社エリオット・マネジメントなどのホールドアウト(債務再編を受 け入れなかった債権者)に返済を行うまで、他の債権者への債務返済を 禁じている。30日に猶予期限が切れた利払いもそれに含まれている。

事情に詳しい銀行関係者が情報の非公開を理由に匿名で語ったとこ ろによると、国際的な投資銀行団は2001年にデフォルト(債務不履行) に陥ったアルゼンチン債の買い取りに向け、エリオットを含むホールド アウトと協議した。同関係者によれば、協議は継続する見通し。アルゼ ンチン紙アンビトは買い取り額については合意に達したが、他の事項は まだ決着していないと伝えた。

キシロフ経済財務相は31日、ブエノスアイレスでの記者会見で「民 間企業が自己資金を使い、ハゲタカファンドとの交渉を望んでも政府は 反対しない」とした上で、「ただ国家が資金を投じれば法律に違反する ため、それはできない。不正行為になる」と述べた。

30日はアルゼンチンの2033年償還債の5億3900万ドル(約550億 円)相当の利払い期限だった。裁判所が任命した仲裁人のニューヨーク のオフィスで行われたアルゼンチンとヘッジファンドとの2日間の交渉 は不調に終わり、期限が過ぎた。

政府が圧力か

トリノ・キャピタルのホルヘ・ピエドライータ最高財務責任者 (CFO)は「第3者合意に言及し続けていることからすると、アルゼ ンチン当局は泥沼から抜け出すため銀行に一段の圧力をかけているよう に見える」と述べた。

JPモルガンと、シティグループの広報担当ダニエル・ロメロアプ シロス氏は合意の観測についてコメントを控えた。エリオットとともに 裁判所命令を勝ち取ったアウレリアス・キャピタル・マネジメントは発 表資料で、民間企業からアプローチを受けたが受け入れ可能な提案は行 われていないと説明した。エリオットのNML部門はコメントを控え た。

国際スワップデリバティブ協会(ISDA)は、30日に利払いが行 われなかったことがクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の決 済を引き起こす信用事由かどうかを判断すると説明した。判定委員会は ニューヨーク時間8月1日午前11時(日本時間2日午前0時)から開催 される。信用事由が認定されれば、CDSは入札によって決済される。

2033年償還のアルゼンチン債はニューヨーク時間午後1時28分現 在、額面1ドルに対し6.47セント下げ89.1セント。前日までの2日間 で11.7セント上げていた。株価指標のメルバル指数は8.4%下落。前日 は過去最高値を付けていた。

原題:Argentina Unopposed to Bank Deal With Hedge Funds as Bonds Sink(抜粋)

--取材協力:Camila Russo、Daniel Cancel、Jenna M. Dagenhart、Bob Van Voris.

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