【日本株週間展望】4週続伸、円安と好業績-G7最下位脱出

8月1週(4-8日)の日経平均株 価は4週続伸の見通し。米国経済統計の改善を材料にドル・円相場が約 3カ月ぶりに1ドル=103円台を付け、ドル高・円安を通じ企業業績の 先行き期待が広がりやすい。年初来のマイナスパフォーマンス解消と4 カ月連続の上昇を懸け、8月相場は好スタートを切りそうだ。

アライアンス・バーンスタインのマーケット・ストラテジスト、村 上尚己氏は「上昇ペースが速過ぎることでの一服はあるが、日経平均は 1万6000円に向けた動き」を予想。米国経済は良好で、米金利は「方向 的に上がってくる」とみる一方、消費税増税が響く4-6月期の日本経 済は悪いため、「日本銀行の金融政策に対する思惑が出てこよう」と今 後為替がドル高・円安に振れていく可能性を指摘した。

7月5週の日経平均は、週間で0.4%高の1万5523円11銭と3週続 伸。為替の円安推移が好感され、決算発表で好業績を確認した主要企業 が買われた。同指数採用銘柄の週間上昇率上位には日本ガイシ、トクヤ マ、カシオ計算機、日本軽金属ホールディングス、日本精工、三井化学 と、上期や通期の利益計画を上方修正した企業が並んだ。

野村証券によると、7月30日時点でラッセル野村大型株指数の構成 銘柄の26%に当たる76社が4-6月期(第1四半期)決算の発表を終 え、金融を除く69社の同四半期売上高は前年同期比7%増、経常利益 は15%増だった。チーフストラテジストの田村浩道氏は、ほぼ半数の企 業がアナリストの事前予想を上回っており、「文句のつけづらい決算発 表序盤戦」と評している。

みずほ証券リサーチ&コンサルティングがまとめ、東証1部上場企 業の業績モメンタムを示すリビジョン・インデックスも7月30日時点で プラス5.4%と、1週前の2.6%から上昇。月中までの低下傾向が変わ り、電機、小売のプラス寄与が大きい。第1週も発表は続き、4日に LIXILグループや楽天、5日に大成建設など大手ゼネコンやトヨタ 自動車、ダイキン工業、6日にテルモや三井不動産、7日に東レやオリ ンパス、三菱商事、8日にブリヂストン、ユニ・チャームなどがある。

日米両サイドで円安機運

為替相場の変化も日本株の支援材料だ。週初は1ドル=101円台後 半だったドル・円は一時103円9銭までドル高・円安が進行。米4-6 月期の国内総生産(GDP)が年率で前期比プラス4%と、市場予想の 3%増から上振れたほか、連邦公開市場委員会(FOMC)が量的金融 緩和策の縮小(テーパリング)継続を決め、米長期金利が2.4%台か ら2.5%台に跳ね上がったことを材料視した。

大和総研ニューヨークリサーチセンターのシニアエコノミスト、土 屋貴裕氏は経済の現状認識を上方修正させた半面、労働市場の改善余地 を声明で指摘したFOMCについて「利上げに向けて半歩前進」と受け 止める。

ドル高・円安ムードは日本側からも高まってくる可能性がある。日 本の6月の鉱工業生産は前月比マイナス3.3%と2カ月ぶりに減少、市 場予想のマイナス1.2%減より悪く、減少幅は東日本大震災があっ た2011年3月以来の大きさだった。13日には日本の4-6月期実質 GDPが公表予定で、ブルームバーグがまとめた市場予想では前期比年 率マイナス7.1%と、1-3月のプラス6.7%から落ち込む見通しだ。

7、8両日は日銀の金融政策決定会合が開かれ、8日には黒田東彦 総裁が会見する。2%の物価上昇目標の達成に自信を見せる日銀の姿勢 に変化が生じるかどうか、会見内容に注目が集まる。日本の経済統計で は6日に景気動向指数、8日に景気ウオッチャー調査がある。

7月末時点の日経平均の年初来騰落率はマイナス4.1%、1月後半 から4月上旬の下落が響き、主要7カ国(G7)で最下位の状況が続 く。ただ、7月月間ではプラス3%、3カ月続伸と上り調子。アルゼン チンの債務問題、ウクライナや中東情勢など引き続き海外にはリスク要 因も多いが、国内決算評価と円安の流れが続けば、年初来パフォーマン スがマイナス1%台のフランスやドイツとの逆転も見えてくる。

政治の季節

国会閉会、夏休みシーズンで閑古鳥が鳴くと思われがちな8月の永 田町は、最近では喧噪(けんそう)に包まれるケースが少なくない。小 泉政権が郵政民営化を争点に衆院を解散したのが05年8月、民主党によ る政権交代が実現した衆院選は09年8月、第2次安倍政権誕生につなが る12年11月の衆院解散の起点になったのが、消費税引き上げで民主、自 民、公明の3党党首合意がなされた同年8月だった。

ことしは9月第1週に内閣改造、自民党役員人事が行われる見込 み。SMBC日興証券のチーフ株式ストラテジスト、阪上亮太氏は内閣 改造が「市場でも好感されやすい内容となる可能性がある」と指摘。集 団的自衛権の問題を背景に内閣支持率が直近で低下している事情から、 秋の臨時国会で補正予算の計上、国家戦略特区第2弾、カジノを含む統 合型リゾート(IR)推進法案など「積極的な経済・財政政策が打ち出 される」との見方を示した。

UBS証券のシニアエコノミスト、青木大樹氏も「内閣支持率が鍵 を握るアベノミクス」とし、年内の消費税率再引き上げの判断や来年4 月の統一地方選挙を控え、大規模な内閣改造、コーポレートガバナンス や法人税減税、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)改革の具 体的実行、地方創生戦略などにより「政策の深化をアピールしていくだ ろう」と予想する。

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