三菱UFJなど3メガ:株高一服で2割減益も海外部門は貢献

三菱UFJ、三井住友、みずほの大 手邦銀グループの4-6月(第1四半期)連結決算が31日出そろい、純 利益合計は前年同期比21%減の6260億円となった。アベノミクス効果が 薄れ、株式関連を中心に収益が減少したが、海外融資が拡大するなど下 支え要因もあった。

各社が31日までに東証で開示した。純利益は三菱UFJが同5.8% 減の2405億円、三井住友FGが同20%減の2308億円、みずほが同38%減 の1547億円だった。3グループとも減益ながらブルームバーグ・ニュー スが集計したアナリスト予想を上回った。同予想を上回った割合はそれ ぞれ13%、28%、14%だった。

連結業務純益は合計で16%減の8266億円。融資利息など資金利益は タイのアユタヤ銀行を連結化した三菱UFJで11%伸びたが、みずほと 三井住友では減少した。海外融資は三菱UFJ(円換算)が同25%増、 三井住友(銀行単体、ドルベース)が20%増、みずほ(ドルベース) が9.4%増加と伸びている。

BNPパリバ証券の鮫島豊喜シニアアナリストは、3メガの第1四 半期について「国内貸し出しがボリューム、利ざやともに苦戦する中で 海外が補い、与信費用も低く済んだ」と総括。特に三菱UFJは海外事 業拡大の効果が表れたという。各社の純利益が「市場予想を上回ったの は安心材料で、これをきかっけに株価は持ち直してくる」とみている。

アベノミクス効果減速

1日の3メガ銀グループの株価は午前9時55分現在、前日比で三菱 UFJが0.9%、三井住友が0.9%、みずほが0.7%安となっている。年 初来からはそれぞれ約12%、22%、12%下落している。

前年同期に収益を支えた保有株の売却益など株式関係利益は、三井 住友が327億円、みずほが157億円とそれぞれ前年同期比42%減少。三菱 UFJでは40%増の179億円となった。銀行窓口やグループの証券会社 を通じた投資信託の販売手数料も減少した。

デフレ脱却を掲げた安倍晋三政権発足を前に2012年秋から株価は急 伸したが、13年5月以降は一進一退を続け東証株価指数(TOPIX) は現在、年初来でマイナス圏にある。3メガグループが収益を拡大する には強化を進める海外融資だけでなく、国内でも中小企業向けなどを増 やし、縮小が続く預貸金利ざやを反転させる必要がある。

利ざや下げ止まらず

純利益の通期目標・予想は三菱UFJが9500億円、三井住友が6800 億円、みずほが5500億円を据え置き、各社とも減益見込み。4-6月ま での進捗率はそれぞれ25%、34%、28%となった。

国内預貸金利ざやは三菱UFJ(2行合算)が同0.09ポイント低下 の0.96%、三井住友(単体)が同0.08ポイント低下の1.32%、みずほ (単体)が0.06ポイント低下の1.01%と低迷した。

スタンダード&プアーズの根本直子氏は「通年目標の達成は心配い らない。景気次第で非金利収益も増え、投信も持ち直す可能性もある」 とみている。ただ、「国内収益が伸びていないのは心配。貸し出しも利 ざや低下を抑え金利の高い個人中小を伸ばす必要がある」と述べた。

国景気動向が鍵に

全国銀行協会の平野信行会長は7月の定例会見で第1四半期につい て「資本市場がさえがなかったことが昨年と一番異なる点」と述べた。 その上で、「マクロの経済環境は悪くなかった。4月の消費税率引き上 げのインパクトはほぼ想定の範囲内に収まる一方で、企業活動や設備投 資も活発化の傾向にある」と国内経済の回復に期待している。

日銀統計によると、都銀の総貸出平残(前年同月比)は12年12月か ら14年6月まで19カ月連続で増加。安倍政権発足以降、拡大が続いてい るが、5月の国内銀行の貸出約定平均金利(新規)は0.779%と過去最 低水準にある。

ドイツ証券の山田能伸アナリストは、貸出金が増加し預貸金利ざや も下げ止まりつつあると収益環境の改善傾向を指摘した上で、国内資金 利益は「うまくいけば来期に反転すると計算できる」と予想する。

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