コンテンツにスキップする

米国債(30日):月間は1月以来の大幅高、米成長ペースに失望

米国債相場は月間ベースで1月以来 の大幅上昇となった。米経済が想定していたほど伸びていない兆候が見 られる中、借り入れコスト上昇を見込むポジションの解消が進んだ。

10年債はこの日、もみ合いだった。5月のシカゴ地区製造業景況指 数が市場の予想外に上昇した一方、4月の米個人消費支出は減少した。 成長が加速するとの観測を基に米国債の下落を見込んで、いわゆるショ ートポジションを建てていた投資家は、強弱まちまちの経済指標に失望 している。主要中央銀行はインフレを誘発することなく緩和策を続ける ことが可能との確証が強まっており、ソブリン債相場は世界的に急上昇 した。

RWプレスプリッチの政府債取引担当マネジングディレクター、ラ リー・ミルスタイン氏(ニューヨーク在勤)は「世界の主要中央銀行の 緩和という問題が米国債利回りの低下を引き起こしている」と指摘。 「米国債は多くの高格付け債よりも、相対的価値ベースで依然魅力的に 見える。こうした高格付け債は低い利回りにも関わらず、大きく買われ てきた。マーケットのショートポジションも動きを増幅させた」と述べ た。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは前日比1ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)上昇の2.48%。一時は2.45%に低下する場面もあった。前 日は一時2.40%と、昨年6月21日以来の低水準をつけた。月間ベースで は17bp低下。同年債(表面利率2.5%、償還2024年5月)価格はこの 日3/32下げて100 6/32。

30年債利回りはほぼ変わらずの3.33%。月間では13bp低下と、1 月以来の大幅な下げ。

「インフレ期待は低下」

ブルームバーグ米国債指数の5月のリターンは前日までの時点 で1.1%。年初来では3.5%となっている。

スミス・アンド・ウィリアムソン・インベストメント・マネジメン トの債券担当ディレクター、ロビン・マーシャル氏(ロンドン在勤)は 「インフレの懸念が後退しているため、米国債は上昇している」と指 摘。「成長は一部で期待されていたペースでは加速しないほか、市場の インフレ期待は低下した。投資家は金利上昇を見込むポジションを巻き 戻している」と述べた。

5月のシカゴ地区製造業景況指数(季節調整済み)は65.5と、前月 の63から上昇した。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト 予想の中央値は61への低下だった。同指数は50が製造業活動の拡大と縮 小の境目を示す。

米商務省が発表した4月の個人消費支出(PCE)は前月比0.1% 減少。マイナスとなったのは1年ぶり。ブルームバーグがまとめたエコ ノミスト予想の中央値は0.2%増だった。前月は1%増(速報値0.9% 増)に上方修正された。これは2009年8月以来で最高だった。

米連邦公開市場委員会(FOMC)がインフレ指標として注目する PCEデフレーターは前年同月比1.6%上昇と、同委員会が目標とする 2%を24カ月連続で下回った。

ショートポジション

JPモルガン・チェースの最新の週間顧客調査によると、米国債投 資家の35%がショートポジションを持っていた。これは1年ぶりの高水 準。調査は毎週月曜日に更新される。

ブルームバーグが金融機関を対象に実施した最新調査によれば、10 年債利回りの年末予想は3.24%。1月時点では3.43%だった。

三菱UFJ証券USAのシニア米国債トレーダー、トーマス・ロス 氏(ニューヨーク在勤)は「ファンダメンタルズ以外の理由で相場は上 昇してきた」と指摘。「ここまでの水準と、そこにどうやって至ったか を考慮すれば、きょうの下げは驚きではない」と述べた。

原題:Treasuries Advance Most Since January as U.S. Growth Disappoints(抜粋)

--取材協力:Susanne Walker.

--取材協力:Susanne Walker.

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE