NY外為(30日):ボラティリティが7年ぶり低水準

ニューヨーク外国為替市場では相場 のボラティリティ(変動性)がほぼ7年ぶりの低水準となった。各国中 央銀行による刺激策やフォワードガイダンスが相場の変動を抑制してい る。

日本の消費者物価指数がここ20年余りで最大の伸びとなり、日本銀 行が追加刺激策を実施するとの見方が後退したことから、円はアジア時 間に特に堅調に推移した。南アフリカ・ランドは下落。同国の貿易赤字 が4月に拡大したことが手掛かり。ブラジル・レアルは3週ぶり安値に 下落。経済成長ペースの鈍化が嫌気された。

コメルツ銀行のシニア通貨ストラテジスト、ピーター・キンセラ氏 (ロンドン在勤)は「中銀のフォワードガイダンス政策が金利期待を抑 えている」と指摘。「極めて変動の少ない相場に次第になっていくだろ う。今のところこの状況を揺るがすような材料は出てこないと思われ る」と述べた。

ニューヨーク午後5時1分現在、主要7カ国(G7)通貨のボラテ ィリティを示すJPモルガン・チェースのG7ボラティリティ指数 は5.93%と、2007年6月以来の水準に低下した。世界の通貨のボラティ リティを示すJPモルガンの別の指数も、07年以来の低水準を付けた。

円は対ドルでほぼ変わらずの1ドル=101円77銭。今月は0.5%上 昇。ユーロは対ドルでこの日0.2%上げて1ユーロ=1.3635ドル。月間 では1.7%安となった。ユーロは対円でこの日0.2%高の1ユーロ=138 円74銭。月間では2.1%安。

日本の消費者物価指数と日銀政策

日本の4月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除いたコアCPI) は前年比で3.2%上昇し、1991年以来の伸びとなった。プラス幅はブル ームバーグ・ニュース がまとめた予想中央値(3.1%上昇)を上回っ た。3月は1.3%上昇。日本では4月1日に消費税率が5%から8%に 上がった。

日銀は6月に次回政策決定会合を開く。今月21日の会合では政策方 針の現状維持を全員一致で決めた。

みずほ銀行のストラテジスト、シレーン・ハラーリ氏(ニューヨー ク在勤)は「日銀の今後の行動については分からないところがある。日 銀としては現行政策は機能しており、追加緩和は考えられていたほど差 し迫ってはいないかもしれない」と分析。「傾向としては対ドルでの円 上昇だ」と述べた。

シカゴ製造業景況指数

この日発表された5月のシカゴ地区製造業景況指数は市場の予想外 に上昇し、7カ月ぶり高水準となった。これに反応し、ドルは対円での 下げを埋めた。同指数(季節調整済み)は65.5と、前月の63から上昇し た。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値 は61への低下だった。同指数は50が製造業活動の拡大と縮小の境目を示 す。

バンク・オブ・ニューヨーク・メロン(BNYメロン)のグローバ ルマーケッツストラテジスト、マイケル・ウールフォーク氏(ニューヨ ーク在勤)は、同指数発表後の取材で、「対円でのドル相場はここ数分 間に急な上げを見せた」とし、「シカゴ製造業景況指数は明るい内容 で、対円でのドル上昇という点で見れば、この前向きな指標が支えたと いえる」と続けた。

南ア・ランドは1.5%安の1ドル=10.5723ランド。下落率は2月19 日以降で最大だった。

レアルは0.8%下げて1ドル=2.2415レアル。終値としては5日以 来の安値となった。

原題:Currency Volatility Slows to 7-Year Low on Central Bank Stance(抜粋)

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