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消費者物価91年以来の伸び、消費増税上回り加速-全国4月

4月の全国消費者物価指数(生鮮食 品を除いたコアCPI)は、前年同月比での伸びが加速した。消費税率 引き上げの影響が出たほか、増税分を上回る伸びとなった。

消費税率が5%から8%に上がった4月の全国コアCPIは前年比 で3.2%上昇し、1991年以来の伸びとなった。総務省が30日発表した。 前年同月比で11カ月連続の上昇。プラス幅はブルームバーグ・ニュース がまとめた予想中央値(3.1%上昇)を上回った。

消費税上げは4月のCPIを1.7ポイント押し上げると日本銀行は 試算しており、これを除くと4月の上昇率は3月(1.3%上昇)を0.2ポ イント上回った。総務省統計局の栗原直樹物価統計室長は記者向け説明 会で「日銀の試算をやや上回る上昇となった」と述べ、増税分を除いて も物価上昇が進んでいるとの見方を示した。

ゴールドマン・サックス証券の馬場直彦チーフエコノミストは発表 後のリポートで「先月既に発表された東京都区部の4月CPIが、増税 の影響を除くと3月から横ばいにとどまったため、全国CPIの上昇は サプライズだ」と指摘。広範囲での公共料金の引き上げや、増税で生じ る端数部分の切り上げ、増税時を利用したコスト転嫁などが「全国レベ ルで顕現化したようだ」としている。

SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミストは発表後のリポー トで「8月ごろに1%割れと見込んでいたが、これよりも後ずれし、秋 ごろとなりそうだ。為替次第では、年内1%台をキープする可能性もあ る」としている。

5月東京都区部は鈍化

先行指標とされる東京都区部の5月中旬速報はコア指数が同2.8% 上昇と13カ月連続で上昇した。日銀は消費増税が東京都区部のコア CPIを4月は1.7ポイント、その後フル転嫁されれば1.9ポイント押し 上げると試算していた。

こうした押し上げ分を除くと5月は0.9%上昇となり、4月(1.0% 上昇)から鈍化した。予想中央値(2.9%上昇)も下回った。宿泊料と 外国パック旅行の伸びが前月から縮小したことが全体を押し下げた。

日銀は消費税率3%引き上げが物価に与える影響について、現行の 課税品目すべてにフル転嫁されることを前提にCPIを2.0%押し上げ ると指摘。その上で、14年度のコアCPIは消費税率引き上げの影響を 含むベースで前年度比3.3%上昇、除くベースで1.3%上昇するとの見通 し(委員の中央値)を示している。

物価だけ上がればいいわけではない

日銀の黒田東彦総裁は21日、会見で「物価が2%達成されれば後は どうでもいいということではもちろんない」と指摘。「生産・所得・支 出の好循環の下で日本経済がバランスよく成長し、雇用・賃金などの増 加を伴いながら物価が2%程度の上昇に達する、あるいはそれを安定的 に持続することが一番望ましい」と語った。

岩田規久男副総裁も26日、都内の講演で「仮に、成長戦略に基づく 政府の施策や民間の取り組みが停滞し、潜在成長力の強化が進まなけれ ば、物価安定目標の達成は、『マイルドなインフレ下における低実質成 長』をもたらす可能性がある」と指摘。「日銀としては、日本経済の潜 在成長力の強化に向けて、政府による成長戦略がさらに推進されていく ことを強く期待している」と述べた。

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