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東京商品取引所が再び赤字転落、日本市場消滅の恐れも-江崎社長

出来高縮小が続く東京商品取引所 の2013年度連結決算が再び赤字に転落したことが、江崎格社長へのイン タビューで分かった。単体では6年連続の赤字となる。江崎氏は、個人 投資家の勧誘規制緩和など出来高を増やすための措置を取らない限り、 国内市場は消滅しかねないとの見方を示した。

江崎氏は27日のインタビューで、13年度の連結純損益が9億円を超 える赤字になったと述べ、要因として出来高が前年度比で1割近く減っ たことなどを挙げた。12年度は2000万円の黒字だった。江崎氏は、出来 高を増やすためには、個人投資家の勧誘規制の緩和などが必要で、「今 のままだと恐らく数年で商品取引所が日本からなくなる」と述べた。

日本商品清算機構(JCCH)のデータによると、国内商品取引所 の総出来高は2003年度に最高の1億5579万枚を記録した後は減少傾向と なり、13年度はピークの16%に落ち込んだ。05年に7つあった商品取引 所数は現在、東商取と大阪堂島取引所の2カ所だけ。東商取は金や原 油、トウモロコシ、大豆などを上場し、国内商品取引の99%のシェアを 占めている。東商取は30日午後に13年度決算を正式に発表する。

江崎氏によると、出来高減少は個人投資家の勧誘規制の強化が主な 理由で、「個人投資家が激減したことによって流動性が激減」、ヘッジ 目的で大口取引を行う商社も東商取を使いにくくなり、海外市場で取引 するようになったという。東商取によると、流動性を示す取組高(未決 済残高)は4月末時点で28万869枚と10年前に比べ69%減少している。

商品先物取引法は04年の改正で、勧誘を断った個人への再勧誘を禁 止、09年の改正では個人からの要請のない電話・訪問による勧誘を禁じ た。内閣府のウェブサイトによると、経産省と農水省は4月、一定の条 件の下に70歳未満の消費者への電話・訪問勧誘による取引を幅広く認め る案を公表したが、内閣府の消費者委員会は消費者保護の観点から再考 を求めている

総合取引所

江崎氏は、個人への勧誘規制に加え、機関投資家に対する制約、金 融商品と商品取引の損益通算を認めない税制が現状のままだと、「日本 では商品取引は成り立たないということだ」と述べた。

年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の運用多様化に関し ても、「期待しているが、客観的に考えるとコモディティまで行かない だろう」と述べ、理由として株式投資を増やすだけでも「大騒ぎになっ ているのだから」と述べた。

自民党日本経済再生本部が22日にまとめた「日本再生ビジョン」案 で、日本取引所グループによる商品取引の開始などによる総合取引所の 早期実現を盛り込み、東商取の合流を求めていることに関しては、「簡 単に決まる話ではない」と述べた。合流には子会社化や出資、完全融合 など合流の形によってメリット、デメリットが違うことも含め不明な点 が多く、現段階では判断できないという。

江崎氏は「日本取引所の総合取引所ができたら活発になるという問 題ではない」と述べ、損益通算課税の導入などの環境が整備されれば、 「取引所が一つになるよりよほど効果がある」と指摘した。

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